低振動・低騒音施工による環境配慮型の躯体目荒らし工法

ブラストキー工法

 

概要

耐震補強は、既存建物と補強部材との間に接合部を設けて一体化させる工法が一般的です。既存建物と補強部材の一体性を高めるために、既存躯体面を荒らす「目荒らし」があります。

目荒らしを行う際、従来行われているチッピング工法では、大きな振動・騒音・粉じんが発生します。そのため、居住者が住みながらの補強工事において、苦情の対象となります。

本工法は低振動・低騒音に加え、環境に配慮した目荒らし工法を確立することを目的として開発しました。

本工法はコアドリルの先端に専用のビットをセットし、湿式コアドリルで既存躯体を切削します。このため、既存躯体面に打撃を与えず、施工時の粉じんも少なくすることができ、建物を使いながら耐震補強を行うことが可能です。

■本補強工法の主な適用範囲は、以下の通りです。

1)本工法は、鉄筋コンクリート造または、鉄骨鉄筋コンクリート造を対象としている。
2)本工法を適用するコンクリート種別は、普通コンクリートおよび軽量コンクリートとする。
3)本工法を適用するコンクリート強度は原則として、普通コンクリートで10.0N/mm²以上、軽量コンクリートで13.5N/mm²以上とする。
4)本工法は、耐震補強のみならず、新築・増改築等によるコンクリート接合面全般に適用可能。
  • チッピング工法

    チッピング工法

  • ブラストキー工法

    ブラストキー工法

  • チッピング工法

    チッピング工法

  • ブラストキー工法

    ブラストキー工法

特長

1)従来のチッピング工法に比べ、低振動・低騒音で、環境に配慮しています。
2)コンクリートガラの発生を抑制することができます。
3)目荒らし量の定量評価ができるため、品質は施工者の技量差に左右されません。
4)あと施工アンカーの数量を最大20%削減することができます。

効果の検証

騒音・振動低減効果の確認は、音響実験棟住宅実験室(RC造3階建て)および、実際の建物(社員寮:RC造地上3階建て)で行いました。ブラストキー工法の施工時の騒音レベルはチッピング工法と比較し、約20〜29dB低減でき、振動レベルはチッピング工法と比較し、約27〜33dB低減が可能となりました。

  • 音響実験棟住宅実験室

    音響実験棟住宅実験室

  • 騒音測定状況

    騒音測定状況

  • 施工状況

    施工状況

その他

関連論文

  • 低騒音・低振動型の目荒らし工法の開発(その1〜その12)
    香取慶一、樋渡健、村田鉄雄、久保田雅春、阿部隆英、高瀬裕也、平田誠之
    日本建築学会学術講演梗概集、2012〜2014

評価表彰

建築技術性能証明:日本建築総合試験所 GBRC 性能証明 第14-17号
技術(性能)評価:建築研究振興協会 BRP−R1803014-0ST

本工法は、飛島建設株式会社、東亜建設工業による共同開発工法です。

技術(性能)評価書

関連特許

特許第6071573号、特願2021-059950

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