ピン接合形式の外付けフレームによる補強構法
Key Grid Method
『Key Grid構法(以下、KG構法)』は、東亜建設工業と安藤建設が共同で、重要な社会資本である学校や住宅等のストック建築物を『もっとスマートに、確実に』耐震補強するために開発した、ピン接合形式の外付けフレームによる補強構法です。
KG構法は中低層の建物を対象とし、鉄骨造のフレームと制振装置を組み合わせた新しい耐震補強構法です。既存建物の柱梁接合部に『KGピン』と称する新開発のピン装置を取付け、これを介して鉄骨造の補強フレーム『KGフレーム』を取付けます。KGフレームの柱中間部には、新開発の摩擦ダンパー、鋼材ダンパー、粘弾性ダンパーなど、建物の特性に応じた『KGデバイス』(制振装置)を取付け、最後に保護カバープレートで仕上げて完成となります。
耐震補強構法には、建物の外側に新たな補強フレームを設けるもの、採光を可能にした耐力壁を設けるもの、ブレース(斜め材)を設けるもの、また、ブレース材に制振装置を設けるもの、基礎下や中間階に免震装置を設置して免震構造とするものなど様々な構法がありますが、KG構法は、以下の優れた特徴を有しています。
また、KG構法は、この構法のために新たに開発した摩擦ダンパーの動的実験、接合部単体の加力実験、KGフレームの構造実験などを経て、シミュレーション解析による検証を行うとともに、設計法へと反映した結果、2008年8月、財団法人ベターリビングの一般評定を取得しました。
試設計の結果では、KGデバイス(制振装置)の効果によりKG構法を採用した建物においては、無補強建物に比べて十分な地震時の応答低減効果を確認しています。
KG構法のパーツ
KGピンの躯体への取り付けイメージ
KGフレームの取り付け状況図
補強後の建物外観図
投稿先:日本建築学会学術講演梗概集,77-84,2008.9
発行元:日本建築学会 http://www.aij.or.jp/aijhomej.htm
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