梁の靱性改善によるせん断破壊遅延型補強
Outside Attached Shear Strengthening Methods for Existing RC Beams
耐震補強を対象とする建物において、既存梁がせん断破壊する場合の補強工法は、一般的に、梁両側の側面および底面をU字形で補強するため、居室内に立ち入り、工事を行います。しかし、特に既存集合住宅の耐震補強は、居住者が住みながらの補強を要求することが多いため、建物外側のみからの補強工法の開発が望まれてきました。
本技術は、既存梁部材に対して、居室内に立ち入らない外側(片側)のみの部分的な補強を施すことにより、補強設計で設定する梁の部材変形量(設計クライテリア)までせん断破壊を発生させず、耐力を維持、あるいは耐力を低下させないことを目的とした補強工法です。
従来型補強と本補強工法との比較
本補強工法の一例(補強ディテール)
昭和40年代に建築された鉄筋コンクリート造5階建ての建物に対して、本補強工法を適用しました。補強工事は、居室内を使用している状況で行われましたが、居住環境に支障はなく、従来の梁の補強工法と比較して、施工効率が良く、工期が短縮可能であることも確認しました。
補強前
補強後
実建物への本補強工法の適用事例
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