場所打ち杭・基礎構造物を対象とした再生骨材コンクリートの供給体制の構築
Recycled Aggregate Concrete
建設副産物として発生するコンクリート塊は年々増加し、そのリサイクル率は高いとされているものの、現在ではそのほとんどが道路用路盤材として使用されております。しかし、道路用路盤材も需要が先細りし、今後はコンクリート用骨材としての再利用が求められています。近年では環境問題対策として、再生骨材の積極な採用が検討され始めており、当社建築分野でも、首都圏を中心に再生骨材の使用を可能とした体制を整備しております。
再生骨材は密度、吸水率によりH(高品質)、M(中品質)およびL(低品質)に級別されます。再生骨材は、通常、コンクリート塊をクラッシャーなどの破砕機で破砕・分級して製造されます。Hの再生骨材は加熱擦りもみ等の高度処置が施されており、適用範囲が広いが製造コストが高価となります。Lの再生骨材は付着モルタルを除去せず使用するため、耐久性が弱点となり適用範囲はかなり限定されます。ここに提案するMの再生骨材はHとLの中間に位置し、Hに比べて、製造コストが廉価となり使用量の多い基礎構造部への適用が可能です。
再生骨材は、2社の再生骨材製造工場にて製造する体制とし、骨材輸送費を抑えるため、比較的近い距離にある、「再生骨材コンクリート」の大臣認定を取得したレディーミクストコンクリート工場(以下、生コン工場という)へそれぞれ運搬されます。そして、その生コン工場から建設現場へ供給する流れとなります。
再生骨材コンクリートの出荷は、右図に示されるように4社とし、東京23区、横浜市、川崎市ならびに埼玉県南部を中心とした首都圏広域での製造・供給が可能となります。
コンクリートの圧縮強度は、通常の普通骨材を使用したコンクリートと同等であり、構造体に十分適用できることを確認しています。
また、コンクリートの中性化抵抗性も通常の普通骨材を用いたコンクリートと同等であることを実験で確認しています。
投稿先:日本建築学会学術講演梗概集,633-638,2006.9
発行元:日本建築学会 http://www.aij.or.jp/aijhomej.htm
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