2025年01月14日
東亜建設工業株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:早川 毅、以下「当社」)と三和エナジー株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:高松 克行、以下「三和エナジー」)は、廃食用油からバイオディーゼル燃料(FAME*)を製造・販売する共同事業の検討を開始しました。
当社は「Blue・Green 青い海と青い空、そして緑あふれる街」をスローガンとして掲げ、その実現に向けた異業種連携として、すでに中国木材株式会社と共同での森林由来カーボン・クレジットの創出、株式会社フジトランス コーポレーションと共同での藻場造成によるブルーカーボン生態系の創出への取組みを公表しました。今回は、これらの取組みに続く異業種連携の第三弾として、三和エナジーと共同でバイオ燃料事業の立ち上げに向けたFS(事業化可能性調査)の開始を公表いたします。
* 主に廃食油を原料としてメチルエステル化処理によって製造するバイオディーゼル燃料(脂肪酸メチルエステル、Fatty Acid Methyl Esterの略)で、軽油・重油の代替として既存のディーゼルエンジンをそのまま、または小規模な改造を行うことで使用可能(ドロップイン燃料)というメリットがある。
気候変動への対応としての脱炭素・カーボンニュートラルは、世界的に取り組まなくてはならない喫緊の課題であり、なかでも建設業が果たすべき役割は非常に重要であると考えています。当社は、海洋土木工事を得意とする建設会社(マリコン)としての特性から、作業船で用いる化石燃料由来のCO2を多く排出しており、省エネ施工の推進とともに、代替燃料の活用に取り組んでいく必要があります。しかし現状では、特に作業船を含む船舶への代替燃料の供給体制が十分とは言えず、CO2削減の進捗に課題が多いことから、当社自らの事業として代替燃料の製造・供給の可能性について検討しています。
一方、三和エナジーは、2024年2月から埼玉県狭山市において日本最大級のバイオ燃料製造工場(新狭山工場)を稼働させており、我が国におけるバイオ燃料の大量製造の知見を蓄積しています。また、同社は、従来から積み上げている建設現場等への燃料配送事業の豊富な経験を生かしてバイオ燃料の製造・供給を担うことができ、加えて、2025年には大阪府岸和田市にて、新狭山工場を大きく上回る規模のバイオ燃料製造工場を稼働させる予定で建設を進めており、この分野でのトップランナーとして更なる需要開拓を目指しています。
このように、三和エナジーの製造・供給のノウハウと当社の臨海地区におけるプラント整備等のノウハウを持ち寄り、バイオ燃料の製造・販売をワンストップで担う事業を立ち上げることを目指したFS検討を共同で進めていきます。当社の発祥の地であり、三和エナジーも本社を置く横浜市の臨海部において、海上出荷設備も備えた我が国で最大規模のバイオディーゼル製造工場を稼働させ、東京湾を中心として陸上・海上を問わずバイオ燃料供給網を確立することを目指しています。
バイオ燃料製造プラントのイメージ図
バイオ燃料の種類 | FAME |
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製造場所 | 横浜市内(臨海地区を想定) |
製造能力 | 500〜600KL/月 |
供給開始時期 | 2026年度 |
付属設備 | 海上出荷設備 |
カーボンニュートラルへの取組み(東亜建設工業ホームページ)
https://sanwa-energy.com/(三和エナジーホームページ)
当社と中国木材株式会社は、森林由来カーボン・クレジットの創出・販売を通じて地球温暖化防止に資することを目的として、@共同で森林由来J−クレジット発行のための調査、モニタリングを実施すること、A創出された森林クレジットの一部を当社が購入・取得し、資金循環による森林整備促進への協力及びカーボン・オフセットに活用することに合意し、本合意に基づいて、熊本県五木村及び奈良県上北山村での森林クレジットの創出と販売を共同で行っています。
当社と株式会社フジトランス コーポレーションは、伊勢湾内における藻場(アマモ場)の造成事業を共同で推進することに合意し、本合意に基づいて、愛知県の常滑港樽水地区でのアマモ場造成プロジェクトを開始しています。この取組みにより、ブルーカーボン生態系の創出による同湾内の水質浄化能力の向上、水産資源の維持増大及び生産の安定を図り、豊かな伊勢湾の再生に寄与するとともに、Jブルークレジット®の創出に繋げていきます。