東亜建設工業とフジトランス コーポレーションが
伊勢湾内における藻場造成事業でコラボレーション

2025年01月08日

東亜建設工業株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:早川 毅、以下「当社」)と株式会社フジトランス コーポレーション(本社:名古屋市港区、代表取締役社長:系井 辰夫、以下「フジトランス コーポレーション」)は、共同で伊勢湾内におけるアマモ(海草)場の造成事業を推進し、豊かな伊勢湾の再生に寄与するとともに、Jブルークレジット® ※を創出することを目的とした業務提携契約を締結しました。本業務提携に基づいて、協働して準備を進め、常滑港樽水地区でのアマモ場造成プロジェクトを開始しています。

背景と目的

当社は、海洋土木工事を得意とする建設会社(マリコン)としての立場から、これまで海洋土木で培ってきた技術・知見を生かし、藻場造成など海洋環境の改善、ブルーカーボン(海洋生態系によって取り込まれた炭素)の創出に早くから取り組んできました。今回の共同事業により、これまで施工フィールドとして建設事業を行ってきた伊勢湾の環境改善に寄与し、ブルーカーボン生態系の創出によってカーボンゼロ社会の実現にも貢献していきたいと考えています。

フジトランス コーポレーションは伊勢湾の最奥に位置する名古屋港を基盤とする総合物流企業です。自社船舶により日本全国の寄港地と名古屋港を結ぶ海上輸送サービスを展開しています。今回の取組みにより、その重要な航路である伊勢湾で、航行中に排出するCO2をアマモ場によって吸収することを企図しています。また、「海のゆりかご」と呼ばれ、海洋生物にさまざまな恩恵をもたらすアマモ場の造成により、生物多様性の保全に貢献していきます。

今回の取組みは、当社グループの環境行動規範、フジトランスグループのサステナビリティ方針「フジトランス サステナビリティ ビジョン2050」の共通点である、「カーボンニュートラルの達成に向けた異業種連携」によるプロジェクトです。

本業務提携に基づいて、伊勢湾内におけるアマモ場の造成事業を推進し、同湾内の水質浄化能力の向上、水産資源の維持増大及び生産の安定を図り、豊かな伊勢湾再生に寄与するとともに、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合が認証・発行するJブルークレジット®を創出することを目的としています。カーボン・クレジットの創出による収益は、さらなるアマモ場造成事業に充てることで、持続的な海域環境改善に繋げていきます。

アマモ場造成プロジェクトの概要

実施場所

愛知県常滑市沖(常滑港樽水地区)

実施工程

2024年5月開始

2024年5月 アマモ分布調査
2024年6月 種子(花枝株)の採取
2025年1月 播種(予定)

本プロジェクトは5年計画(業務提携期間:2029年3月まで)で開始しますが、実施期間は適宜見直していきます。

※港湾管理者や常滑漁業協同組合などの各種ステークホルダーには本事業内容について十分な理解を得て実施しています。

種子採取の様子(2024年6月)1枚目
種子採取の様子(2024年6月)2枚目

種子採取の様子(2024年6月)

アマモ(プロジェクト実施場所付近で撮影)

アマモ(プロジェクト実施場所付近で撮影)

※Jブルークレジット®制度について

ブルーカーボン生態系のCO2吸収源としての役割、その他の沿岸域・海洋における気候変動緩和と気候変動適応へ向けた取組みを加速すべく、新たなカーボン・クレジットとして創設・運用されている制度。

Jブルークレジット®は、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合が、独立した第三者委員会による審査・意見を経て、認証・発行・管理する独自のクレジットです。将来の見込みではなく、既に行われたプロジェクトの実施による過去の実績に基づくクレジットであることから、その品質・確実性は高いと言われています。

2024年10月には、既に認証・発行されたJブルークレジット®のうち、のべ計54のプロジェクトの実施に基づくクレジットが、GX-ETS(GXリーグにおいて実施される自主的な排出量取引制度)における「適格カーボン・クレジット」(その他の適格カーボン・クレジット)として承認を受け、登録されています。

参考:https://www.blueeconomy.jp/credit/

本件に関するお問い合わせ先

東亜建設工業株式会社
経営企画本部 経営企画部 広報室
TEL:03-6757-3821