概要
東京湾、大阪湾に代表される軟弱な粘性土地盤上で埋立工事を行うと、盛土荷重により原地盤は圧密され、長い年月をかけて徐々に沈下します。最終沈下量や沈下収束時期、埋立時の安定確保には、載荷重・載荷履歴の把握が不可欠であり、これを怠ると不同沈下や埋立中における盛土のすべりの原因となります。従来から沈下管理に用いられきた沈下板や土圧計は、それを設置したポイントのみで把握するものでした。本システムは、ナローマルチビームによる深浅測量やRTK-GPSを設置した測量車の特長を生かし、載荷重・載荷履歴を面的に把握しする新しい層厚・沈下管理システムです。本システムから得られた施工履歴情報をもとに、将来沈下量を予測する沈下計算の埋立層厚履歴モデルを作成することも可能です。
特長
- 1)載荷重・載荷履歴を面的に捉え、定期的な測量により沈下量・層厚を管理することが出来る。
- 2)測量船および測量車にRTK-GPS、動揺・傾斜補正装置などの最新設備を搭載し、高精度化を図っている。
- 3)システム化により、迅速な解析とリアルタイムでのデータ確認が可能。
- 4)測量結果は二次元および三次元で表示され、すべり等によるドレーンやコンパクションの破損をいち早く特定することが出来る。
埋立層厚・沈下量鳥瞰コンター
埋立層厚履歴モデル
実績
- 東京国際空港D滑走路建設外工事
- 関西国際空港2期空港島護岸築造工事
その他
■関連論文
- 山根信幸、深沢健、平林弘、土田孝、坂井彰、藤原辰彦:大規模埋立工事に対応した施工管理システムの開発とその適用、地盤工学ジャーナル、Vol.3,No.3,pp.243-259,2008
- 高橋充、堺谷常廣、榊原務、木内大介:羽田D滑走路建設工事埋立部の情報化施工技術-その2 埋立載荷履歴と面的挙動の管理-、鈴木紀慶、土木学会第65回年次学術講演会、pp.253-254,2010
■評価表彰
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