地震による液状化被害を予測する

地盤の液状化による構造物被害予測プログラム「FLIP」

 

概要

FLIP(Finite element analysis program for Liquefaction Process)は、有限要素法に基づく地震応答解析プログラムで、平成7年の兵庫県南部地震により被災した岸壁など港湾施設の被災メカニズムの解明に力を発揮してきました。

先の東日本大震災では非常に広範囲にわたって構造物に被害が生じましたが、こうした巨大地震に対しても所要の機能を満たすためには、従来以上の高い耐震性能が要求されます。

FLIP解析では、地盤の液状化による過剰間隙水圧上昇に伴う有効応力の減少や、地盤と構造物との動的相互作用を考慮出来るため、地震後の残留変形量や構造物に生じる被害等を、簡易法(静的震度法)に比べて精度良く評価する事が可能です。

弊社では、FLIPを用いた耐震解析をはじめ、耐震性能照査による既設構造物の安全性の評価及び耐震対策工の提案など、地震動の設定⇒解析モデルの作成⇒解析⇒耐震性能評価⇒詳細設計までの一連の耐震設計をトータルに実施しています。

解析事例(桟橋構造の残留変形図)

解析事例(桟橋構造の残留変形図)

解析事例(護岸構造の過剰間隙水圧比分布及び残留変形図)

解析事例(護岸構造の過剰間隙水圧比分布及び残留変形図)

特長

  • FLIP解析の数値シミュレーションにより以下の項目が定量的に評価出来ます。
    ⇒ 地震時における地盤の液状化状況
    ⇒ 地盤の液状化に伴う杭・矢板等の港湾構造物に発生する断面力や残留変形量
    ⇒ 地盤改良などの液状化対策工の効果
    ⇒ タンク基礎等の陸上構造物の耐震性能
  • 平成19年度に改定された港湾基準において性能設計が導入されていますが、一般構造物の耐震設計(レベル1)に加えて、耐震強化施設(レベル2)の耐震設計にも対応出来ます。

実績

  • ケーソン式、桟橋式、矢板式などの護岸・岸壁に対する耐震診断および耐震対策工の提案
  • タンク等基礎に対する耐震診断および耐震対策工の提案 など多数

その他

加入団体

  • FLIPコンソーシアム
    プログラムの改良・機能拡張および利用技術の高度化を目的としたFLIPコンソーシアムが平成23年1月に設立され、弊社は創設当初からFLIPコンソーシアムの会員として、ワーキンググループ活動に参画しています。現在は、液状化後の排水性を考慮できるカクテルグラスモデルの高度利用技術の研究や粘性土のダイレタンシー挙動を再現するCookieモデルの導入に携わっています。

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