概要
グラブ浚渫では、浚渫工事の最終段階において、高い精度で仕上げ掘りを行うために、海底地盤を平坦に掘削する「水平掘り機構」と、バケット位置・深度を管理し、水平掘りをスムーズに行う「施工支援システム」を装備したグラブ浚渫船による施工が主流となっています。
しかし、土厚の小さい箇所では仕上げ掘りを行う場合、従来のバケット浚渫では、グラブバケットひとつかみ当たりの切り取り面積が小さい上に、水を多く取り込み、含泥率が低くなる傾向があります。
「ワイドグラブバケット(以下、WGB)浚渫工法」はグラブバケットひとつかみ当たりの面積を大きくすることで浚渫効率を高め、高精度の仕上げ掘りを実現する浚渫工法です。
特長
- 1)幅広バケット
- 幅広バケットの機能を活かし、浚渫地盤を広く切り取ることができます。(最大開口面積37.25m²)
- 2)浚渫効率の向上
- 一般的な大型バケットと同等の施工サイクルで作業できるため、1サイクル当たりの浚渫土量が多く効率的な施工ができます。
- 3)汎用性が高い
- WGBは専用の浚渫船を必要とせず、一般的な23m³級グラブ浚渫船に装備された「水平掘り機構」及び「施工支援システム」に対応が可能です。
- 4)浚渫精度の向上
- 当社が開発した「薄層浚渫支援システム」を搭載することで、システム画面にバケット刃先の軌跡を表示することができ、精度の高い薄層浚渫ができます。
- 5)バケット容量の調整が可能
- 浚渫土厚に応じて、容量調整板を2段階に調整(土厚60cm、40cm)できるため、余分な水の取り込みを最小限に抑えることができます。
- 6)水抜き機構
- 底泥取り込み時に水抜き開閉扉から自然な排水を行い、底泥と水の置き換えをスムーズに行うことができるため、濁りの発生を最小限に抑えることができます。
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バケット内部から水の排水状況
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掘削完了時の止水状況
実績
- 大阪港北港南地区航路(-16m)浚渫工事
- 姫路港須加地区泊地(-12m)浚渫工事
- 徳山下松港新南陽地区泊地(-12m)等浚渫工事
- 他、多数
その他
■評価表彰
- 港湾関連民間技術の確認審査・評価(評価証番号 第11001号)
(一財)沿岸技術研究センター
■関連特許
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