桟橋の基礎杭の耐震補強

水中格点工法

 

概要

既存の桟橋を耐震補強する場合、基礎杭の補強、杭頭部の補強、上部工コンクリートの補強に分類されます。基礎杭は海底面から長く突出しているために(自由長が長い)、考慮する地震力が大きくなると杭に発生する応力は非常に大きなものになります。格点工法は、杭の途中で杭同士を鋼材によって結合することで杭の自由長を短くし、発生する応力の低減や座屈に対する安全性を確保する工法です。したがって、自由長をできるだけ短くするには、海底面と上部工の中間付近に格点を設けるのが有利であり、水中作業となるケースが多く、さまざまな技術が使われます。

まず、既設の杭位置を測量し、寸法に合わせて格点部材を製作する。水中部では格点設置用の受け台を杭に設置し、必要に応じて杭にスタッドやフープ筋を溶接します。その後、鋼製の格点部材を所定の位置に吊り込んで、鋼管杭に固定するためにスリーブ状の鋼管を組み立てます。杭とスリーブ状の鋼管の間に、膨張材を加えた水中不分離性コンクリートあるいは膨張モルタルを充填して、格点部材と杭を一体化します。

  • 格点部材の吊り込み

    格点部材の吊り込み

  • 杭と格点部材の固定部の組み立て

    杭と格点部材の
    固定部の組み立て

  • 膨張モルタルによる固定

    膨張モルタルによる固定

特長

1)水中部での施工が中心となるので、増し杭による補強に比較すると桟橋の供用を制限することが少ない。
2)既設杭の位置の測量や格点部材の水中接合作業などに精度が求められます。
水中格点工法イメージ

水中格点工法イメージ

実績

  • 関東地方整備局 千葉港葛南中央地区岸壁(-12m)築造工事
  • 民間N社 桟橋耐震補強工事
  • 民間O社 LNG受入桟橋増強工事
  • 民間I社 突堤格点補強工事  他多数
  • 博多港(須崎ふ頭地区)岸壁(-12m)(改良)工事外1件
  • 博多港(須崎ふ頭地区)岸壁(-12m)(改良)工事
  • 名瀬港(本港地区)岸壁(-7.5m)(改良)工事(第2次)

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