砂質系の浚渫土砂などから高品質で多用途な建設資材を生み出す

ソイルセパレータ・マルチ工法

Soil Separator/Multi-Purpose Construction Method

概要

「ソイルセパレータ・マルチ工法」は、砂質系の浚渫土砂や発生土などに加水して、砂礫分を効率的に分級・抽出して有効利用すると共に、細粒分を含んだ泥水は凝集処理後、脱水・減容化することで、土砂処分量を減少させることを目的としたものです。

従来、細粒分を含んだ土砂は、排水性が悪く、そのままでは利用できず、埋立処分されることが多いのが現状でした。しかし本工法を用いて分級された土砂の再利用を行うことにより、処分される土砂量の減容化が可能となります。

処理フローの例

処理フローの例

概要

特長

1)砂質土砂から、礫、砂、シルトへと、粒径ごとに順次分級が可能です。
2)土砂に加水する「湿式分級方式」のため、砂礫に付着している細粒分を除去できるため、得られた砂礫は細粒分が5%程度と、高品質なものとなります。(細粒分10%〜15%程度に調整することも可能です)
3)がれきやごみを含んだ土砂の分別、再利用にも有効です。
4)分別したごみは、付着した土砂が洗浄・除去されているため、分別、処分が容易です。
5)加水用の水は、循環・再利用するため、最終処分が必要な水量が低減できます。
6)凝集フロックは、埋立地内で圧密脱水させて減容化する方法や、簡易脱水後、セメントなどで改質し、盛土材料などに有効利用する方法があります。
7)浚渫土砂の場合、砂礫やシルトを有効利用し、凝集フロックを処分した場合、細粒分20%の土砂で約70%、細粒分40%の土砂で約50%の処分量の減容化が可能となります。
分級前、分級後の粒径加積曲線の一例(分級前の浚渫土砂:細粒分35%)

分級前、分級後の粒径加積曲線の一例
(分級前の浚渫土砂:細粒分35%)

実績

  • 中津港(田尻地区)航路(-12m)浚渫[暫定-11m]工事
  • 津波堆積物処理の実証実験(気仙沼市:国交省助成研究で実施)
  • R3品木ダム浚渫土再利用検討業務に係る現地実験補助業務
実績

その他

関連論文

  • 居場 博之、西田 浩太、池田 秀作、三宅 良二、國武 洋臣、竹口はや人:土砂分級システム「改良型ソイルセパレータ工法」の開発と浚渫土砂への適用結果、土木学会第67回年次学術講演会講演概要集, pp.691-692, 2012.
  • 居場 博之、御手洗 義夫:ソイルセパレータ・マルチ工法を用いた津波堆積物の有効利用技術、地盤工学会誌, Vol.61, No.7, pp.32-33, 2013.
  • 居場 博之、御手洗 義夫、西田 浩太:ソイルセパレータ・マルチ工法における細粒分の効率的な脱水方法の検討, 土木学会第68回年次学術講演会講演概要集, pp.25-26, 2013.   など

評価表彰

  • 第15回国土技術開発賞 最優秀賞(国土交通大臣賞):平成25年

関連特許

  • 特許第5809811号、特許第5809820号、特許第5933378号

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関連技術