コンクリート構造物の維持管理支援システム

サムシング

Sensor Aided Maintenance System with Information Technology

概要

本システムは、コンクリート構造物の広い範囲あるいは主要な部分に劣化変状を検知する複数のセンサーを張り巡らせ、そのセンサーのデータを日々自動的に回収・整理して、構造物の維持管理情報をインターネット上でユーザーに提供するシステムです。
センサーに異常が感知された場合には、警告情報を発信するとともに、専門技術者がそのデータを評価して、今後維持管理に役立つ情報を提供します。

説明イラスト
インターネットでの表示画面例

特長

1)構造物にセンサーを設置し連続的な情報収集を行うことにより、目視点検の頻度の省略、少力化を実現
2)日々連続的にセンサー情報を確認できるため構造物劣化の予兆を掴める
3)センサーの特性を熟知した高度な診断技術を持つ専門技術者がサポートするので、構造物の管理者は安心して維持管理を行える
4)データ回収機器の電源は太陽光発電、データの回収は携帯電話で行うため、設置場所の制限を受けない
5)複数のセンサー情報を自動でデータ処理し、今後の劣化予測に反映できる形で保管するため、維持管理業務の省力化を図れる

海上桟橋の上部工に適用された電気防食工法への適用事例

サムシングを適用した桟橋(延長140m)は大阪港(大阪府堺市)に位置し、鋼材の荷揚げ桟橋として利用されてきました。しかし、近年になって塩害による劣化が生じ、PC桁77本に対して電気防食工法(チタングリッド陽極:施工面積633m²)が適用されました。

右図はその電気防食工法システムのモニタリング状況例です。電気回路No.2では、防食開始後から異常な値が計測されましたが、専門技術者のアドバイスにより詳細な現地調査を行った結果、電気防食システムの早期復旧を実現できました。また、その後も適切に電気防食システムが稼動している状況が確認されています。

※電気防食工法とは、コンクリート中の鋼材の腐食反応を電気化学的に制御し、コンクリート中の鋼材腐食に対する耐久性を向上させる工法です。具体的には、コンクリート構造物の表面もしくは表面近傍のコンクリート中に陽極材を設置し、その陽極材からコンクリート中の鋼材(陰極)へ直流電流を流します。適切な電流が継続的に流れていれば、鋼材腐食による劣化の進行は抑制されます。
※本現場では、「コンクリートライブラリー107 電気化学的防食工法 設計施工指針(案)土木学会」に示される防食基準に準拠して、以下の値をしきい値として用いています。
(1)電源装置の定格電圧を超えていないかどうか
(2)通電中の鋼材の電位(インスタントオフ電位)が-1000mV(飽和硫酸銅電極基準)以上かどうか
(3)復極量が100mV以上あるかどうか
サムシングによるモニタリング状況(2006.8〜2008.12現在)

実績

  • 大阪湾内にある民間工場内の荷揚げ桟橋に適用された電気防食システムの維持管理ツールとしてサムシングを採用。

    モニタリング対象:PC桁77本に適用された電気防食(チタングリッド陽極)・・・633m²

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