鉄筋コンクリート構造物の塩害劣化のばらつきを考慮に入れた構造物のマネジメントシステム
Management System for Reinforced Concrete structures in marine Environment
どのような構造物であれ、使用していると何らかの劣化は進行します。海上と陸上の物流の中継をする桟橋などの港湾施設においても、単に老朽化するだけでなく、塩害による劣化も進行します。すなわち、何もしないと、構造物は知らぬ間に使えなくなり、資産価値も大幅に目減りしていくケースが大変多いのが現状です。
このシステムは、主に桟橋を対象に、多様性に富む塩害劣化の進行を確率論的に予測します。すなわち、塩分の浸透による鉄筋位置の塩化物イオン量のばらつき、鉄筋の腐食進行速度のばらつきなどを、過去の研究成果や実測データから抽出し、モンテカルロシミュレーションによって再現します。これにより、桟橋構造物が何年後にどの程度の劣化がどの割合で出現するかを予測することができます。供用できなくなる割合も推定できます。
一方、構造物の劣化から供用できない割合が予測できるので、構造物から得られる便益(利益)の低下量も想定することができます。 いざ補修をしようとしたとき、構造物からの収益に対する補修費用の割合が大きくなりすぎると、その施設の維持管理は大きな負担になってしまいます。単に、構造物のLCC(Life Cycle Cost)を少なくすれば良いというわけではなく、構造物を資産としてマネジメントすることが必要です。
本システムは、塩化物イオンの拡散係数、表面塩化物イオン量、鉄筋のかぶりなどのデータについて、平均値と標準偏差を入力することにより、簡単に算出することができます。
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