建物の高層化によって限りある土地の有効活用を

超高強度材料を用いた
超高層鉄筋コンクリート造建物の構造設計法

Structural Performance of High-rise Reinforced Concrete Structure using High-strength Materials

概要

近年、設計基準強度が100(N/mm²)を超える超高強度コンクリートおよび降伏強度が685(N/mm²)クラスの超高強度鉄筋などの技術開発が進み、60階建て200m級の超高層鉄筋コンクリート造建物の設計も可能となってきています。しかし、これらの超高強度材料を使用した超高層鉄筋コンクリート造建物を設計する場合には、設計者自らが構造実験を実施し、その耐震性能の確認を行う必要がありました。
そのため、既往の実験結果をデータベース化し、各種設計式・耐力式の適合性を検証するとともに、超高強度コンクリートを使用した柱部材の曲げせん断実験、柱の中心圧縮実験および、柱梁接合部を含む部分架構の構造性能確認実験などを実施し不足するデータを補完しました。これら、データベースと実験結果とを分析検討することにより、設計基準強度が最大で120(N/mm²)のコンクリートおよび、降伏強度が685(N/mm²)クラスの高強度鉄筋を用いた超高層建物の構造設計ガイドラインを策定いたしました。

超高強度RC柱の構造実験の模様

超高強度RC柱の構造実験の模様

特長

1)超高層建物を鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)ではなく、鉄筋コンクリート造(RC造)で建設する場合、鉄骨鉄筋コンクリート造に比べ、躯体構造で約10%のコストダウンが図れます(当社モデル建物比)。
2)柱、梁、床、バルコニーなどの部材をプレキャスト化することや合理的な型枠システムを採用することで、鉄骨鉄筋コンクリート造に比べ、約10%の工期の短縮が図れます(当社モデル建物比)。
3)高強度コンクリート、高強度鉄筋を採用して長スパン化と部材断面の縮小化を行うことで、自由度の高い空間を作ることが可能となります。
4)粘り強い鉄筋コンクリート構造を採用することにより耐震性が向上します。

その他

関連論文

  • 「超高強度材料を用いた鉄筋コンクリート造柱部材の構造性能に関する実験研究」
    その1.〜その7.
    Experimental Study on Structural Performance of Reinforced Concrete Columns using High-strength Materials

    投稿先:日本建築学会学術講演梗概集,493-506,2004.8
    発行元:日本建築学会 http://www.aij.or.jp/aijhomej.htm

  • 「超高強度材料を用いた鉄筋コンクリート造柱梁接合部の構造性能に関する実験研究」
    その1.〜その2.
    Experimental Study on Structural Performance of Reinforced Concrete Beam-Columns Joints using High-strength Materials

    投稿先:日本建築学会学術講演梗概集,843-846,2004.8
    発行元:日本建築学会 http://www.aij.or.jp/aijhomej.htm

本研究は、建設15社(株式会社淺沼組、安藤建設株式会社、大木建設株式会社、株式会社奥村組、株式会社鴻池組、五洋建設株式会社、西武建設株式会社、株式会社錢高組、大日本土木株式会社、鉄建建設株式会社、東亜建設工業株式会社、飛島建設株式会社、株式会社間組、株式会社長谷工コーポレーション、株式会社松村組)による共同成果であり、明治大学・平石久廣教授および山口大学・稲井栄一准教授による技術指導をいただきました。

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