スーパーグラブバケット浚渫工法「バックホウ型」を開発
〜河川、湖沼の環境に配慮した底質除去工法〜

2007年09月25日

  • ◆河川・湖沼を含む狭隘な水面、浅水域への適用が可能
  • ◆高い密閉性により浚渫時の汚濁の発生や拡散を防止
  • ◆水平掘り機構と薄層浚渫支援システムにより高い浚渫精度を実現し、
    除去から無害化・処分までのトータルコストを大幅に削減

東亜建設工業株式会社(社長:鈴木行雄)は、既に実用化されているワイヤー型の「スーパーグラブバケット浚渫工法」に加えて、油圧式のバックホウ型を開発し、このほど神戸市発注の「新和田岬ポンプ場放流渠他築造工事(その3)」において実用化しました。

◆スーパーグラブバケット浚渫工法「バックホウ型」

◆スーパーグラブバケット浚渫工法「バックホウ型」

スーパーグラブバケット浚渫工法「バックホウ型」開発の背景

近年、航路や河川、湖沼におけるダイオキシン類やPCB等を含む汚染底質(水底に堆積した有害な土砂)が深刻な環境問題となっており、これらの除去の必要性が増してきています。この対応策のひとつとして広範囲を薄層浚渫する方法がありますが、従来型のグラブバケット浚渫ではバケットからの余剰水の漏れにより、濁りが拡散してしまうこと、掘削軌跡が円弧状となるため、必要以上の土厚を浚渫してしまうこと等の課題がありました。

これらの課題に対して、環境対応型の高精度浚渫工法として開発されたのがスーパーグラブバケット浚渫工法です。グラブ浚渫船に装備されるワイヤー型のスーパーグラブバケット浚渫工法は、航路・泊地等の水深が深いところに堆積した汚泥浚渫工事に適用され既に実績を上げています。今回、河川・湖沼を含む狭隘な水面、浅水域に対応できる機能を有するスーパーグラブバケット浚渫工法として、バックホウ型を開発しました。

スーパーグラブバケット浚渫工法「バックホウ型」の特長

本工法の特長は、以下のとおりです。

〔環境対応〕
  • (1)スーパーグラブバケットの高い密閉性を実現し、
    濁りの発生と拡散を極力抑えることができます。
  • (2)土砂取込み用水抜き機構により土砂と水との置換えがスムーズに行えるため、
    余分な水の取り込みと濁りを極力抑えることができます。
  • (3)浚渫土の性状によりバケット開閉速度を最適に設定することにより、
    掘削時の濁りの発生を極力抑えることができます。
〔コスト縮減〕
  • (1)薄層浚渫支援システムにより、精度の高い水平掘りが可能となるため、
    余分な土砂の取り込みを極力抑えることができ、処分土量の低減が図れます。
〔汎用性が高い〕
  • (1)通常のバックホウ浚渫船にアタッチメント式であるスーパーグラブバケットを陸上運搬・装着することで施工が可能です。

◆土砂取込み用水抜き機構・水平掘り フロー図

◆土砂取込み用水抜き機構・水平掘り フロー図

※土砂取込み機構 ※高含泥率での浚渫実現 ※薄層浚渫支援システム

◆薄層浚渫支援システムのモニター画面

◆薄層浚渫支援システムのモニター画面

今後の展開

有害底質除去や汚濁抑制の必要性から、スーパーグラブバケット浚渫工法の需要はますます高まってくるものと思われます。当社は今後も、様々な施工条件を考慮し、ワイヤー型、バックホウ型それぞれのスーパーグラブバケット浚渫工法を提案していきます。