大気中の空気を地盤に注入する新しい液状化対策技術
「Air-des工法」は、地盤内に空気を注入することにより地盤を不飽和化させ、地盤の液状化強度を増加させる、液状化対策工法です。
当社と国土交通省 四国地方整備局、国立大学法人 愛媛大学、(株)不動テトラ、オリエンタル白石(株)、(株)ダイヤコンサルタントが共同で開発しました。
Air-des工法は、地盤内に空気を注入するという極めて簡単な作業により液状化対策を行う、世界初の画期的な工法です。注入した気泡が均一に地盤の間隙水に5〜10%程度含まれるだけで、地盤の基本的な性質(強度、透水性、地震時の振動特性など)をほとんど変えずに液状化抵抗だけが増加します。
Air-des工法施工イメージ
空気を注入した地盤では、空気が圧縮して体積減少が生じます。地震によるせん断変形を受けても空気の体積が減少するだけなので、土の粒子がお互いに接触を保ってかみ合った状態を維持し、土の強度・剛性は失われません。
(有効上載圧が小さい地点や塑性のある土(細粒分が多い土)では、大幅に施工能力を低減する必要があるか、適用外となるケースもあります。)
注入材料として大気中の空気を使用するので、他工法に比べて安価となります。
構造物直下の地盤を液状化対策でき、施設を使用したまま行えます。
注入材料として大気中の空気を使用するので、施工に伴う環境負荷を他工法に比べて軽減することができます。
材料調合などのプラントを設ける必要がなく、設備設置用スペースが十分取れない狭隘な箇所でも施工が可能です。
Air-des工法は、空気供給源から供給された空気を圧力計・流量計にて計測し、減圧弁で所定条件となるように制御しながら施工を行います。設備が簡素なため広い設置スペースを必要とせず、狭隘な箇所でも適用可能です。
汎用のコンプレッサーを使用して注入が可能です。
圧力計、流量計にて空気を計測し、減圧弁にて所定条件に制御します。
大掛かりな資機材等は不要なため、現場内は整然とした状況です。
緩い砂地盤の上に高さ2m、幅10mの盛土を造り、震度6強で加震させる実験を実施しました。
上の写真は無対策の地盤で、下はAir-des工法で空気を注入した地盤です。
無対策の地盤は液状化して約35cm沈下しましたが、Air-des工法による地盤は液状化しませんでした。
建設中の高速道路の盛土地盤に対して、Air-des工法による液状化対策の実証実験を行い、その適用性と効果を確認しました。本実験は、国立大学法人愛媛大学と西日本高速道路株式会社との共同研究に参画したものです。
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(技術マニュアルがございます。)