現場レポートvol.5

宮崎県日向市で大規模製材工場を建設

日本の国土は7割弱が森林であり、その中でも宮崎県は日本有数の杉の産地です。
現在、この国産杉を有効活用することを目的に、中国木材株式会社が宮崎県の誘致企業として、日向市細島港に国内15箇所目の事業所である日向市工場の建設を進めています。

施工場所

施工詳細地図

施工場所地図は写真をクリック

施工詳細地図

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工事概要

工事名: 中国木材株式会社日向市工場建設工事(仮称)
発注者: 中国木材株式会社
施工場所: 宮崎県日向市竹島町1番101・1番105
工期: 2013年6月28日〜2015年10月31日
施工者: 東亜建設工業株式会社
現場代理人:星野真治

この工場は、製材工場としては国内トップクラスの規模を誇り、1期工事の建設は敷地面積30万m²にもなるプロジェクトのうち、バイオマス発電施設の一部以外全て東亜建設工業が担当しています。

施工状況(全景)

撮影日:2015年1月9日

主要建物

主要建物

全体配置図

全体配置図

※2015年1月下旬現在

大規模プロジェクトの施設紹介

製材工場の大規模プロジェクトで建設を進めている主要施設を木材の流れと共に説明します。

  1. 1.原木置場

    30万m²の半分はこの原木置場です。
    原木は主にトラックにて搬入され、
    この場所に置かれます。

    原木置場
  2. 2.選木機

    搬入された原木は選木機にて、
    サイズを測り、自動選別されます。

    選木機
  3. 3.バーカー棟

    選別された原木はバーカー棟にて、
    皮を剥かれます。

    バーカー棟
  4. 4.製材棟

    皮を剥かれた丸太は製材棟で
    角材に製材されます。

    製材棟
  5. 5.大径木製材棟

    大きな丸太は大径木製材工場で
    角材に製材されます。

    大径木製材棟
  6. 6.未利用製材棟

    小さな丸太は未利用製材棟にて、
    カットされます。

    未利用製材棟
  7. 7.桟積機棟

    カットされた木材は桟積機棟にて、
    乾燥しやすく組み上げられます。

    桟積機棟
  8. 8.天乾場

    組み上げられた木材は天乾場にて、
    自然乾燥させます。

    天乾場
  9. 9.乾燥釜

    天乾場で乾燥させた木材は乾燥釜にて、
    更に蒸気を利用して強制的に乾燥させます。

    乾燥釜
  10. 10.養生棟

    乾燥させた木材は養生棟にて、
    仮置き養生します。

    養生棟
  11. 11.加工棟

    養生後、加工棟で一次加工、二次加工
    されます。

    加工棟

    内部は長さ220mの大空間!

  12. 12.製品棟

    加工された木材・製品は製品棟に持ち込まれ、ここからトラックや船で積み出されます。

    製品棟
  13. 13.燃料倉庫

    原木が製品になるまでに発生する「おが、樹皮、切断粉」などの木質系廃材は各工場より燃料倉庫にベルトコンベアで集められます。

    燃料倉庫
  14. 14.バイオマス発電施設(他社施工)

    集められた木質系廃材はバイオマス発電施設のボイラーを炊く燃料となります。バイオマス発電による電力は売電されます。

    バイオマス発電施設(他社施工)
  15. 15.木炊ボイラー施設

    集められた木質系廃材は木炊きボイラーを炊く燃料にもなります。木炊きボイラーを炊いた蒸気は乾燥釜の蒸気に充てられます。

    木炊ボイラー施設
  16. 16.その他(事務所棟)

    各施設の屋根にはソーラーパネルが設置され、ここで作られた電力も売電されます。

    その他(事務所棟)

大規模プロジェクトの全体概要

1期工事(約30万m²)

上記施設とそれに付随する工事(バイオマス発電施設の一部を除く)

2期工事(約1万m²)

製品棟(1棟)と海上輸送用の専用バースの埋立工事

3期工事(約10万m²)

集成材棟(3棟)
集成材棟は、建築の柱や梁材などの最終製品に加工する工場の建設工事

全体完成イメージ図

全体完成イメージ図

大規模プロジェクトで働く社員の声

所長に聞いてみました
Q大規模プロジェクトのマネジメントで難しいところは?
星野真治(統括作業所長、現場代理人)
Aひとつ目は、建築と土木の協同施工を纏めるところです。
特に土木に関しては東亜建設工業による設計・施工であり、一昨年の6月より設計しながら同時に施工を進めています。
ふたつ目は、ボリュームのある工事をタイトなスケジュールで進めているところです。この規模で、さまざまな工種が同時並行で進んでおり、完成引渡しが終わった部分は順次事業を開始しています。
総合的なマネジメント力が必要とされます。
但し、わたしたちは地域との関わりを大切にしており、発注者も製材工場職員の多くを現地採用するなど、このプロジェクトは地元の皆さんの協力により順調に進んでいます。
武林昌哉(作業所長、土木担当)
A土木に関しては、ほとんど白紙状態からの造り込みになるので、日々変化する状況を的確に把握し、発注者の要望に対していかに迅速に応えられるかが課題です。
下段中央(左から6番目):星野真治(統括作業所長、現場代理人)
同上(左から7番目):武林昌哉(作業所長、土木担当)

集合写真

若手社員に聞いてみました
Q大規模プロジェクトで働いてる皆さんの「やりがい・個人的な目標」は?
森川裕太(建築職)
A無事故で竣工することです。
担当した燃料投入ピット棟は、無事、無事故で竣工することができました。
近接施工の同業他社・プラント業者との取り合い部分が輻輳していましたが、調整を上手くやり遂げることができました。
生井秀浩(土木職)
A資材発注・測量を担当した排水や擁壁が無事に完成したことが、嬉しかったです。
赤本 要(建築職)
A新入社員です。大規模プロジェクトなので若手社員の先輩も多く、公私ともにお世話になっております。毎日が勉強です。
左:森川裕太(建築職)担当:大径木製材工場の施工計画作成及び施工管理
中:生井秀浩(土木職)担当:測量、資材発注、写真管理
右:赤本 要(建築職)担当:製品棟屋根工事の安全管理

若手社員