既設の桟橋鋼管杭の巻立て補修工法
Tough and Flexible Advanced Mortar Method for Pile Jacketing
タフリードPJ工法は、劣化損傷した既設の桟橋鋼管杭と上部工の接合部に対して、接合部周辺の上部コンクリートの一部をはつり取り(深さ10cm程度)、上部工と飛沫帯・干満帯までの鋼管杭表面を一体として高強度繊維補強モルタル(タフリード)により巻き立てる工法です。接合部における杭断面の曲げ耐力の回復・向上とともに、被覆防食工としての長期耐久性(防食性、耐衝撃性、耐摩耗性等)の確保により、桟橋の強靭化、長寿命化を同時に図ることができます。
なお、本工法は、既設の桟橋上部工のつばプレートの有無によらず、接合部における鋼管断面の曲げ耐力の回復・向上を確実に発揮できる点(従来技術では対応できなかった条件に対しても適用できる点)に最大の特長があります。
杭と上部工の接合部の腐食状況
(被覆防食撤去後)
タフリードPJ工法による
接合部の巻立て状況
タフリードにより鋼管杭と上部工を一体化させることで、接合部における鋼管断面の曲げ耐力の回復・向上を確実に期待できます。
地震等の突発的な外力が作用した場合でも、タフリードは鋼管杭の変形に対して高い追従性を発揮します。
タフリードは鋼材腐食に影響する塩化物イオンの浸透や酸素等の侵入に対する抵抗性が非常に高いため、鋼管杭の腐食に対して優れた防食性能を発揮します。
また、杭の変形によりタフリード表面に約20μm以下の複数の微細ひび割れが生じることがありますが、水分が供給される海洋環境下では自己治癒性(ひび割れが閉塞する性質)が発揮されるため、長期的な防食性能を維持できます。
タフリードは流木等の漂流物に対する耐衝撃性や繰り返しの波浪による耐磨耗性にも優れるため、被覆防食工として優れた耐久性を発揮します。
タフリードは従来の巻立て材に比べて耐久性に優れるため、本工法の適用によりライフサイクルコストの低減が可能です。
タフリードは、水粉体材比が0.22と非常に小さく、シリカフュームが混和されるので、非常に緻密な材料です。また、単位体積当たり1.5%を標準として、高強度ポリエチレン短繊維を添加します。これらにより、以下の優れた特長を発揮します。
複数微細ひび割れ発生状況
民間桟橋補修工事 3件
複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いたライニング方法および構造体(特許第5660524号)
複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料を用いた構造体およびライニング方法(特許第5922993号)
短繊維補強セメント系材料に埋設されたアンカー部材の許容引抜き耐力の推定方法(特許第6666203号)
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