クレーン吊荷制御装置「GYCO」(ジャイコ)

 

概要

「GYCO」はGyro Rotation Control Device の略で、「ジャイロ効果」を利用して、吊荷の姿勢を一定に保ち、「ジャイロモーメント」により、遠隔操作で自在に吊荷を水平旋回させることができる装置です。従来は、介錯ロープを使用した人力による吊荷の制御で対応していました。本技術の活用により、ブロック据付等の吊荷作業の安全性・効率性の向上が期待できます。
また、当該装置にGNSS方位計を搭載することで、事前に設定した目標方位へ自動的に旋回制御が可能です。(ガイダンスシステム)。本システムを利用することで、吊荷位置と設計位置のずれが俯瞰的に確認でき、吊荷方位を自動的に誘導できるため、据付作業の効率化を実現します。

ジャイロ式吊荷制御装置GYCO詳細及び使用状況図

ジャイロ式吊荷制御装置GYCO詳細及び使用状況図

GYCO外観

GYCO外観

現場導入状況(消波ブロック据付)

現場導入状況(消波ブロック据付)

GYCO仕様

GYCO仕様

特徴

(1)ブロックや型枠などの吊荷に対し、姿勢を一定に保つことで吊荷の回転による接触災害や挟まれ災害を防止できます。
(2)介錯ロープでの人力による誘導作業が不要となるため、作業船の動揺や強風・突風により吊荷が大きく振られるときに引き込まれることで起こる墜落・転落、転倒災害を防止できます。
(3)吊荷の姿勢を制御しながら、遠隔操作で吊荷を任意の位置に水平旋回させることで、作業を効率化します。
(オプション機能)
(4)タブレット端末に「GYCO」の位置と方位をリアルタイムに表示することにより、オペレータへの誘導支援が可能です。
(5)事前に設定した目標方位となるように「GYCO」を自動制御できます。
ジャイロ式吊荷制御装置 性能曲線

ジャイロ式吊荷制御装置 性能曲線

ガイダンスシステム(オプション)

ガイダンスシステム(オプション)

施行実績

名古屋港飛島ふ頭東岸壁(-15m)桟橋上部
敦横浜港大黒地区岸壁(-12m)(改良)築造工事
敦賀港(鞠山南地区)岸壁(-14m)上部工事
令和2年度大隅海峡地区マウンド礁築造(その2)

技術登録

新技術情報提供システム(NETIS登録番号:THK-180003-A)

関連特許

特開2021-024729