第三亜細亜丸

概要

スパッドにより船体を保持し、固定点を中心に船体をスイングさせながらラダー先端に取り付けられたカッターにより原地盤を掘削、浚渫ポンプにより吸引し、パイプラインを通して遠距離送泥を行う浚渫船である。

航路・泊地の浚渫や臨海用地の造成等に使用され、大量急速施工が可能である。

特長

  1. 1)高い排送能力

    ディーゼルエンジン駆動による9000PSの主ポンプを搭載し、高い排送能力を誇る。

  2. 2)環境負荷の低減

    浚渫ポンプ用主機関はIMO(国際海事機関)排ガス2次規制に対応。カッターモーターやスイングウインチモーター等の電動機も、効率の良いインバータ制御にすることで燃費を向上し、船全体のCO2排出量を削減。

  3. 3)施工の効率化

    含泥率や水中ソナーによる3次元地形データをリアルタイムに可視化する「オペレーター支援機能」を搭載。掘削状況と連動したラダー制御を支援して、効率的な浚渫作業の継続が可能。

  4. 4)安全設備の充実

    船舶レーダーや船舶識別装置AISに加えて、人工知能AIと高感度カメラを活用した船舶監視システムを装備。接近する船舶の情報を警報及び映像により、操船者へ早期に通知可能。

  5. 5)設備の見える化

    カッターや浚渫ポンプ、主機関、発電設備の運転状態をネットワーク化することにより、各設備の運転状態・劣化状態等をクラウド上で管理・共有が可能。

  • 第三亜細亜丸
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今後の展開

各設備のネットワーク化によって、施工・運転状況の可視化やデータの収集による熟練オペレーターのノウハウの数値化に取り組み、オペレーターの早期育成と省力化を可能とする支援システムを構築していく。

仕様

  • 船体 全長78.0m
    全幅19.5m
    深さ5.5m
    喫水4.1m
    出力 動力種類ディーゼル機関
    全装備機関11,560kW
    浚渫ポンプ6,600kW
    カッター600kW×2
  • 公称能力 浚渫能力600〜2,200m³/h
    排送距離6,000〜10,000m
    最大浚渫深度25.0m
    最小浚渫深度5.0m
    排砂管径0.76m〜0.86m