減揺タンクによる浮遊ケーソンの動揺低減技術

減揺タンク工法

Motion Reduction Technology for Floating Caissons Using Anti-Oscillation Tanks

概要

減揺タンク工法は、浮遊ケーソンの曳航・据付時に発生する動揺(ROLL・PITCH)を低減するため、ケーソン上に設置した減揺タンクを活用する動揺低減技術です。

減揺タンクは動力を必要とせずに、ケーソンの傾きによる減揺タンク内の水の運動を利用して、ケーソンの動揺を低減するパッシブ型の動揺低減装置です。ケーソンの持つ固有周期と波周期の同調による共振下での浮遊ケーソンの動揺を低減し、安全かつ確実な施工を可能とします。

従来は施工が困難であった海象条件下においても作業可能範囲を拡大できる可能性を有しており、港湾施設の建設工事における施工性・安全性の向上に寄与するものです。

  • 波浪による浮遊ケーソンの動揺と減揺タンクの動揺低減メカニズム

    波浪による浮遊ケーソンの動揺と
    減揺タンクの動揺低減メカニズム

  • 港湾空港技術研究所の「革新的社会資本整備研究開発推進事業」に採択され茨城港常陸那珂港区で実海域実験により効果を確認

    港湾空港技術研究所の「革新的社会資本整備研究開発推進事業」に採択され茨城港常陸那珂港区で実海域実験により効果を確認

特長

(1) 2方向に直行した減揺タンクを配置して、ROLL(横揺れ:左右への傾き)とPITCH(縦揺れ:前後への傾き)の両方を低減します
(2) 動揺のピーク値を30〜40%低減できます
(3) 数値解析により、ケーソンの動揺量と減揺タンクによる動揺低減効果を定量的に把握できます
(4) 数値解析により、最適な減揺タンク形状を設計できます
(5) シート素材を用いた減揺タンクの開発(太陽工業株式会社との共同研究)により、人力での設置撤去が可能な大型タンクを開発し、導入コストの低減、設置・撤去の作業性向上を図っています
  • 減揺タンクの配置と動揺方向の定義

    減揺タンクの配置と動揺方向の定義

  • 減揺タンクを考慮した浮遊ケーソンの動揺解析イメージ

    減揺タンクを考慮した浮遊ケーソンの動揺解析イメージ

  • シート素材の組立式減揺タンク

    シート素材の組立式減揺タンク

実績

令和6年度 伏木富山港(富山地区)岸壁(-10m)(2号)(改良)築造工事(その2)

その他

評価表彰

  • 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所の「革新的社会資本整備研究開発推進事業(2019年度〜2023年度)」に本技術開発が採択され、実海域における実証実験を行い、評価委員会にて効果が認められました。

関連特許

  • 特許第6831263号:函体の水中への据付方法及びこの函体の揺動防止用タンク
  • 特許第7062146号:函体の水中への据付方法および函体の揺動防止用装置
  • 特願2024-130678:函体の揺動防止用装置および函体の水中への据付方法

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