耐震壁のひび割れ誘発目地工法

CCB工法(鉄筋挿入型ひび割れ制御工法)

Crack Control Bar

概要

CCB(Crack Control Bar)工法とは、鉄筋コンクリート壁の収縮ひび割れ発生位置を制御する工法であり、ひび割れを誘発目地内に誘導し、目地部以外の壁面ひび割れを発生させないことが可能となります。本工法の特徴は、ひび割れを誘発したいところの非コンクリート率を確保する手段として、ひび割れ誘発材および壁鉄筋を直線上に配置する点、ならびに太径の異形棒鋼をひび割れ誘発材に用いる点です。これにより、従来型のひび割れ誘発目地に比べ、ふかしコンクリート厚さを低減できるメリットもあります。

  • 平面図

    平面図

    耐力壁表面の増し打ち部に設けた欠き込み目地と壁断面中央部のひび割れ誘発材および壁縦筋を直線上に配置し、コンクリート打設中に誘発材が移動しないよう、専用の固定ジグを用います。

  • 断面図

    断面図

    ひび割れ誘発材は、床スラブ天端から上階梁下端までの間とし、上下階の梁内には定着しないように配置します。

施工状況

  • 誘発材の固定状況

    誘発材の固定状況

  • 耐力壁の仕上がり状態

    耐力壁の仕上がり状態

  • 目地内に誘導したひび割れ

    目地内に誘導したひび割れ

特長

1)ひび割れを目地内に誘導できるため、防水処理が容易になり、美観を損ないません。
2)通常の耐力壁と同等の強度を持つため、さまざまな箇所に使用できます。
3)特殊な材料を使用しない(JIS 規格品の異形棒鋼を用いる)ため、品質や耐久性などに関する懸念がありません。
4)専用の固定ジグを使用することで、簡易ながらも精度の高い施工を可能にしています。
5)鉄筋工による一連の作業の中でひび割れ誘発材の取り付けが可能であり、類似工法と比較して作業効率に優れ、対策費用が安価です。
6)使用材料
コンクリート コンクリートの種類:普通コンクリート(JASS5)
設計基準強度Fc(N/mm²):21≦Fc≦48
鉄筋 異形鉄筋:SD295A、SD295B、SD345、SD390(JIS G 3112)
固定ジグ CCB工法協会が指定する専用固定ジグ(岡部インダストリー(株)社製)

その他

評価表彰

  • 性能評価
    建築技術性能証明:日本建築総合試験所 GBRC 性能証明 第09-04号改

関連特許

  • 特許第4719032号

加入団体

  • CCB工法協会
    CCB工法協会は、CCB工法の普及、技術の向上並びにその健全なる発展を図ることを目的とし、主にCCB工法を用いた耐力壁の設計・監理および施工に関する設計法やひび割れ誘発の条件を研究すべく活動しています。
    http://ccb-koho.com
  • CCB工法施工管理技術者
    CCB工法協会では、CCB工法を適用する作業所に、本工法を十分理解していると協会が認定したCCB工法施工管理技術者による施工指導を義務付けています。CCB工法施工管理技術者の称号は、一定の実務経験を持つ技術者で、協会が実施する講習会を受講し、終了試験に合格した者に与えられます。
    ※CCB工法の使用にあたっては、工法協会への入会が必要となります。

お問い合わせ

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