環境行動規範

世界規模の異常気象や生物多様性の損失など、世界共通の環境問題が深刻化しています。東亜建設工業グループは、環境行動規範を策定し、脱炭素社会や循環型社会、自然共生社会など持続可能な社会の実現に貢献する取組みを推進していきます。
脱炭素社会の実現に向けては、当社グループとして2050年度までにカーボンニュートラル達成という目標を掲げ、ロードマップを公開し、取組みを推進しています。カーボンニュートラルと経済成長の両立を図るGX(グリーン・トランスフォーメーション)が我が国の成長の鍵とされることから、GXリーグの一員として動向を注視しつつ、関連する技術やサービスの開発等に積極的に取り組んでいきます。
循環型社会の形成に向けては、水資源の枯渇や、天然資源の大規模採取による生態系サービスの劣化など、調達にかかわる環境配慮や3R(リデュース・リユース・リサイクル)等の推進や関連する技術開発を通じて、サーキュラーエコノミーへの移行に貢献する取組みを推進していきます。
自然共生社会の実現に関しては、令和4年12月に採択された新たな世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」に対応して、我が国は「生物多様性国家戦略2023-2030」を策定し、2030年のネイチャーポジティブ(自然再興)実現を目指しています。自然資本を守り活かす社会経済活動が求められる中、ビジネスにおける生物多様性・自然資本に関する情報開示枠組を公表する「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」の動向に注目しつつ、事業活動における自然資本へのインパクトの最小化や自然環境への貢献に向けた技術開発等を進めていきます。

東亜建設工業グループ「環境行動規範」

東亜建設工業グループは、気候変動や資源循環、生物多様性など、世界や地域における環境課題を経営課題の1つと認識し、事業活動を通じて、自然資本を守り活かす持続可能な社会の実現に貢献します。

  • 1.環境関連法令の遵守

    事業活動を行う国や地域に適用されるすべての環境関連法令等を遵守します。

  • 2.環境デュー・ディリジェンスの実施

    サプライチェーンにおける環境面での負の影響を特定し、それを防止・軽減し、成果のモニタリングおよび是正をする一連のプロセスにより継続的な改善を行います。

  • 3.気候変動への対応

    省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの利用などにより温室効果ガスの排出の最小化に取り組み、脱炭素社会の実現に貢献します。

  • 4.資源循環への取組み

    事業活動に関係する地域の環境問題に配慮して、水や天然資源などの資源を適正な管理の下で活用し、節約などにより持続可能な利用を推進します。廃棄においては法規制を遵守し、事業活動に伴って発生する廃棄物の削減や再利用に努め、循環型社会の形成に貢献します。

  • 5.生物多様性の保全

    事業活動が及ぼす生物多様性への影響を精査し、生物多様性の保全と持続可能な利用に取り組み、自然共生社会の実現に貢献します。

  • 6.環境に配慮した調達と施工法

    環境への負荷の少ない資材・機材の調達および環境配慮型の施工法を推進します。国連の森林破壊防止に関する共同声明を尊重し、木材調達における森林破壊ゼロを目指し、合法性、持続可能性の評価を行った木材調達を推進します。

  • 7.環境技術の開発推進

    脱炭素や適正な資源循環、生物多様性の保全等に資する環境技術の開発を推進し、持続可能な社会の実現に貢献します。

  • 8.情報開示とコミュニケーション

    環境に関する情報開示に努めるとともに、ステークホルダーとのコミュニケーションを推進します。

  • 9.環境意識の向上

    研修などを通じて、グループ役員・社員およびサプライチェーン全体で環境意識の向上を図っていきます。

以 上
2024年5月策定

当社グループの環境課題におけるリスクと機会を下表のように特定し、リスクの軽減と機会の活用に取り組んでまいります。

当社グループの環境課題におけるリスクと機会

環境課題 リスク 機会
脱炭素 〇炭素税導入及び脱炭素に向けた規制強化
〇エネルギーミックスの変化
〇平均気温上昇
〇自然災害の甚大化
〇環境配慮型建物の需要拡大
〇カーボンニュートラル関連施設の需要増加
〇再生可能エネルギーの需要増加
〇ブルーカーボン創出の需要拡大
〇気候変動対応に対する評価の向上
〇気候変動に伴う市場変化
〇海面上昇に伴う工事需要増
資源循環 〇資源枯渇・制約による資材調達コストの増加
〇資源循環に関する規制強化によるコストの増加
〇使用済み資材の再利用・処理コストの増加
〇資源循環への対応不足による企業評価の低下
〇資源利用の効率化による事業活動のコスト削減
〇資源循環促進技術の提供による受注機会の増加
〇資源循環への積極的な取組みによる企業イメージの向上
生物多様性 〇生態系サービスの低下・制約による資材調達・施工コストの増加
〇施工時の水使用や土砂流出等による生物多様性への影響
〇サプライチェーンにおける資材調達に伴う生態系の劣化
〇生物多様性への対応不足による企業評価の低下
〇ブルー・グリーンインフラ需要による市場の拡大
〇環境配慮した施工法の開発による競争力の向上
〇生態系保全・再生技術の提供による企業評価の向上
〇生物多様性の保全・向上に貢献する新ビジネス創出の機会増