2025年11月27日
東亜建設工業株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:早川 毅、以下「当社」)は、発電機等から排出されたガス(排ガス)中から低エネルギーでCO2を除去するシステムのプロトタイプを自社開発し、実証試験によりその効果を確認しました。
当社は、温室効果ガス排出量(Scope1+2)を2030年度までに2020年度比で25%以上削減することを目標に掲げ、さらに2050年度までに実質排出量ゼロにすることを目指しています。
しかしながら、当社の得意とする港湾土木工事では大型作業船を使用するため、排ガス量が多くなることから、作業船から排出されるCO2の削減は喫緊の課題となっています。
また、従来のCO2回収手法は、大規模設備の導入や多くの追加エネルギーを必要とし、結果として新たなCO2排出を招く懸念があります。
そこで当社は、排ガス中のCO2を低エネルギーで回収するシステムを自社開発し、屋内実証試験により、CO2回収効果を検証しました。
開発したシステムは、排ガスの吸・送気装置と反応槽および制御・測定機器で構成しています。
システム内の反応槽で排ガス中のCO2とアルカリ水溶液を反応させ、安定な炭酸塩として炭素を回収します。
システム開発のコンセプトは以下のとおりです。

開発したプロトタイプ(実証試験機)
実証試験では、アルカリ水溶液として消石灰スラリーを用い、中型発電機の運転によって排出されるガスからのCO2回収を試みました。
発電機の出力制御によって排ガス量を変動させたケースを設定したうえで、当システムに排ガスを投入し、IN側とOUT側のCO2濃度等を連続計測することでCO2回収効果を確認しました。
排ガス全量を有姿のままで処理できることが確認できたとともに、今回実施した実証試験の条件の範囲内において排ガスに含まれるCO2を
8割程度回収できることを確認しました。
また、当システムは、排ガスを低エネルギーで回収できることも確認できました。
当社は、今回の実証試験の結果を踏まえ、システムの改良を施し、より大型の発電機の排ガス量に対応した実機の開発を目指してまいります。