2025 年度「エンジニアリング功労者賞」を受賞しました
〜バングラデシュ人民共和国ジャムナ鉄道橋が完成〜

2025年09月16日

2025年7月22日、一般財団法人エンジニアリング協会が主催する2025年度「第45回エンジニアリング功労者賞・奨励特別賞」の表彰式が執り行われ、当社が共同企業体※1の一員としてバングラデシュ人民共和国で施工した「ジャムナ鉄道専用橋建設事業(東工区)(以下、「本工事」)」が、エンジニアリング功労者賞(国際貢献部門)を受賞しました。

当社受賞者代表 国際事業本部 バングラデシュ事務所長 鳥井充浩(左)・国際事業本部 副本部長 森山健一(右)

当社受賞者代表 国際事業本部 バングラデシュ事務所長 鳥井充浩(左)・国際事業本部 副本部長 森山健一(右)

「エンジニアリング功労者賞」は、エンジニアリング産業に関与し、その活動を通じて同産業の発展に貢献した個人・グループを表彰するもので、今年度はグループ表彰18件・個人表彰1件が選ばれました。

※1 株式会社大林組(代表取締役社長兼CEO:佐藤 俊美、本社:東京都港区)、東亜建設工業株式会社(代表取締役社長:早川毅、本社:東京都新宿区)、JFEエンジニアリング株式会社(代表取締役社長:福田 一美、本社:東京都千代田区)の3社共同企業体

受賞した事業の概要と評価された点

バングラデシュ国内および近隣諸国の経済成長に伴うコンテナ輸送需要の増加による鉄道輸送能力の強化に対応するため、本工事では、同国中央部を流れるジャムナ川に、既設の鉄道・道路併用橋と並行して、約5 km長におよぶジャムナ鉄道専用橋を建設しました。当社は、東西2工区に分割発注されたうちの東側工区を担当しました。

既存の鉄道・道路併用橋(左)と新設したジャムナ鉄道専用橋(右)

既存の鉄道・道路併用橋(左)では、単線、速度(時速20kmまで)重量制限が課された鉄道走行でしたが、新設したジャムナ鉄道専用橋(右)では、複線・時速100kmの運行が可能となり、今後の鉄道輸送能力の向上と経済発展が期待されています。

本工事は、2020年8月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)禍での着工となりました。 また、施工中は本鉄道橋が跨ぐジャムナ川は、雨季と乾季の水位差が約8mにおよび、流速も6ノットを超える箇所があり、毎年異なる場所で洗堀と堆積が生じ、河床高も大きく変動するなど、厳しい自然条件の中での進捗となりました。 しかし、このような世界情勢や自然条件のもと、無事、約定工期内に工事を完了させることができ、2025年3月18日には、現地にて本鉄道橋の開業式が催され、全線開通に至りました。

また、本工事期間中は現地雇用の創出をはじめ、日本の技術者が現地の技術者へ技術を伝承するなどの人材育成に努めるほか、建設技術にとどまらず、建造物の維持管理の重要性も説き、マニュアルの作成や講習、実地トレーニングも行いました。

2025 年度「エンジニアリング功労者賞」では、世界的パンデミックや厳しい自然条件の中において約定工期内に工事を完了させたことのほか、バングラデシュ人民共和国および地域の社会・産業へも貢献した点から、国際貢献分野における優れた功績が評価され、今回の受賞に至りました。

当社は、時代の変化や社会のニーズを見定めながら、技術と知恵を結集したエンジニアリングや事業を通じて、これからも未来へ、新たな挑戦を続け、社会の持続可能な発展に貢献してまいります。

本工事の様子

本工事においては、現地雇用の創出をはじめ、本邦技術(鋼管矢板井筒基礎工法、軌道技術の取り入れ、安全管理手法の導入等)を
当該国へ移転し、人材育成にも努めました。

本鉄道橋の開業式の様子
本鉄道橋の開業式の様子

本鉄道橋の開業式の様子