2018年02月15日
五洋建設株式会社(社長 清水琢三)と東亜建設工業株式会社(社長 秋山優樹)の共同企業体は、このほどモザンビーク共和国運輸通信省より「ナカラ港開発T・U期工事」を受注しました。当工事は既存のナカラ港を浚渫(土量260,000 m³)および埋立(土量214,600 m³)することにより港湾エリアを拡張するとともに、コンテナ専用埠頭、アクセス道路および構内鉄道等を整備するものです。受注金額はJVで約256億円、工期は36ヶ月の予定です。
モザンビーク北部に位置するナカラ港は、水深が深く、静穏度の高いアフリカ南東部随一の天然の良港です。背後地には豊富な天然資源や肥沃な農地を抱えており、民間ベースの投資活動や資源探査等も活発化しています。また、海を持たない内陸国のマラウイやザンビアにも通じており、ナカラ港の輸送能力を強化することは、同港を起点とするナカラ経済回廊地域の発展・活性化のみならず、日本への天然資源や農産物の供給基地としても大いに期待されます。
ナカラ港は完成から約40年が経過して施設および機材の老朽化が著しく、荷役効率や運営維持管理能力、安全性など多くの課題を抱えています。今回の工事は、わが国の円借款により、コンテナ専用埠頭(-14m岸壁、延長400m)などを整備し、ナカラ港の機能拡充を図るものです。
日本政府は「質の高いインフラ輸出」を通じて、アジアとアフリカの連結性強化を推進しており、2016年8月に開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD Y)において、アフリカに対する官民約300億ドル規模の投資が表明されています。モザンビークに対しては「回廊開発を含む地域経済活性化」が援助重点分野として掲げられており、わが国のODA無償援助による「ナカラ港緊急改修工事」(五洋建設株式会社施工、2015年10月竣工)に続く当工事によって、ナカラ港が現代的設備を備えたナカラ経済回廊のゲートウェイとして、地域の発展、活性化に貢献することが期待されます。
五洋建設ならびに東亜建設工業は、国内外で培ってきた技術力を活かして、今後も同国のみならずアフリカの更なる発展に貢献してまいります。