最新の気象警報を現場作業員へ確実に伝達する
「リアルタイムアラート伝達システム」を開発

2013年03月15日

東亜建設工業株式会社(東京都新宿区:社長 松尾正臣)は、地震や津波など最新の気象警報を現場作業員へ確実に伝達するため、「リアルタイムアラート伝達システム(以下、本システム)」を開発しました。

開発の背景

建設会社の施工現場は、臨海部、山間部または建物が近接する都市部など、屋外のさまざまな環境下にあり、地震・津波・大雨・土砂災害など最新の気象警報を現場で働く作業員へ確実に伝達することは、非常に重要であります。

従来は、気象警報をマイクやスピーカーを利用して伝達しておりましたが、現場の騒音等により聞き逃す、人の手によるアナウンスなので即時性に欠けるなどの問題がありました。

近年では、携帯電話にメール配信するサービスも利用されていますが、作業中に携帯電話を取り出してメール内容を確認することは危険を伴う行為であり、気象警報以外のメールも受信することから、重要な警報を見逃がすことも考えられるため、現場作業員に周知すべき気象警報を確実に伝達するシステムが求められていました。

そこで当社は、ナースコールや騒音の激しい工場等で用いられている腕時計型受信機を用いて、気象警報配信サービス会社から入手した気象警報を現場作業員へ自動で一括送信する「本システム」を開発しました。

これにより、最新の気象警報を現場作業員へ確実に伝達することができます。


「本システム」の概要図

本システムの概要

本システムでは、気象警報配信サービス会社からメールで送られてくる最新の気象警報をサーバーが受信すると、新しいメールが来ていないかを常時監視している専用アプリケーションが、警報内容を腕時計型受信機で表示できる文字数(10文字以内)に自動変換し、即時に現場作業員の腕時計型受信機へ送信します。

送信する情報は、@地震速報、A津波予報、C津波到達予想時刻、D注意報警報(大雨、洪水、雷)、E竜巻注意情報、F土砂災害警戒情報、G熱中症予報などです。

また、任意のメッセージを送信する機能もあり、現場内の情報伝達手段として幅広く利用が可能です。

腕時計型受信機
送信機

本システムの特長

  • (1)気象警報配信サービス会社から提供される全17種類の気象警報が、即時に現場の作業員の腕時計型受信機に一括送信されます。
  • (2)腕時計型受信機は、メッセージの受信を振動と音で知らせるので、作業中でも確実に伝達ができ、安全にメッセージを確認することができます。
    また、通常は腕時計としての使用が可能です。
  • (3)メッセージの緊急性に応じて、優先度を緊急・優先・通常の3種類から選択   することができます。また、メッセージを送信するタイミングが重なった場合には、優先度が高い順番に送信されます。
  • (4)メッセージの送信回数や送信間隔を任意に設定することができます。
  • (5)受信者の個別登録が可能であり、特定の受信者を選択して送信できるほか、グループ送信も可能です。
  • (6)気象警報以外にも、任意のメッセージを送信することができます。

    (例:休憩時間、資材等の到着、ミーティングの開催など)

  • (7)中継機を設けることにより、送信エリアを拡大することができます。

今後の展開

本システムは、青森県八戸市で実施されたポンプ浚渫工事で導入試験を行い、施工現場での電波の到達範囲や現場作業員に対する安全対策としての有効性を確認しました。

今後は気象警報だけでなく、現場における騒音や振動などを感知する計測機器と組み合わせて使用することにより、現場の異常や変化も即時に作業員に伝達することが可能となり、更なる安全性と施工品質の向上に役立てることが期待できます。

本件に関するお問い合わせ先

東亜建設工業株式会社 経営企画部広報室 清水
TEL:03‐6757‐3821 / FAX:03‐6757‐3830