浚渫・捨石投入後の深浅測量を効率化する
「小型オートレッド」を開発

2013年02月27日

東亜建設工業株式会社(東京都新宿区:社長 松尾正臣)は、効率的に深浅測量するために、軽量で取り扱いが容易な「小型オートレッド」を開発しました。

開発の背景

浚渫や基礎捨石投入などの海上作業では、作業後の海底面の形状が、予め定められた形状に仕上がっているかを把握するために、深浅測量という測深作業が行われます。

通常、測深作業は超音波を利用した音響測深機を用いられますが、海上作業の直後においては、施工区域内で発生した濁りや気泡に超音波が遮られ測深精度が落ちるため、船の上から鉛の錘(おもり)に目盛りが付いたロープを海底面に垂らし、ロープを張った状態で海面の目盛りを読み取り水深を測る「レッド測深」と呼ばれる手法が用いられています。

当社では、レッド測深にかかる作業時間を省力化するために、約20年前に自動測深するオートレッド装置を開発しましたが、この装置は作業船に装着することを前提に開発されたため、非常に大型で重く、容易に装着・取り外しができませんでした。

そこで、作業船への装着に拘わらず、様々なケースでの深浅測量に対応するため、小型・軽量化することで運搬が容易な「小型オートレッド」を開発しました。

この「小型オートレッド」は、軽量で運搬が容易であるという特長により、通常の深浅測量だけでなく、横浜港南本牧ふ頭で建設が進むコンテナターミナルの岸壁基礎となる鋼板セルの中詰め砂の投入管理と覆砂工事にも採用されました。

オートレッドの計測原理

ワイヤーで吊下げた錘を、水深計測シーブ(滑車)を介して海底に降ろし、錘が海底面に着底すると、降下時の勢いのために一旦ワイヤーが緩みます。

着底時に生じたワイヤーのゆるみ分は、水深計測シーブに隣接した動滑車が重量で下がることに伴って引き戻されます。ワイヤーのたるみ分が引き戻されることで、錘から水深計測シーブの間のワイヤーがしっかり張った状態に補正されます。この補正後の状態において、水深計測シーブが何回転したかを記録することにより、水深が計測できます。


オートレッド計測原理

本装置の特長

本装置の特長を以下に示します。

形状
【寸法】 280mm
奥行き 373mm
高さ 378mm
【重量】 17kg(錘、制御盤を除く)
  • (1)軽量かつコンパクトで、一人で運搬可能です。
  • (2)計測用ワイヤーの滑りが少ない二重溝の計測シーブを採用しているため、長時間運転でも計測誤差が生じ難くなっています。
  • (3)計測間隔を現場条件に合わせて任意に設定できます。
  • (4)潮流による測定誤差の影響が小さい、20kgの錘まで対応できます。

本件に関するお問い合わせ先

東亜建設工業株式会社 経営企画部広報室 清水
TEL:03‐6757‐3821 / FAX:03‐6757‐3830