スーパーグラブバケット浚渫工法を開発
〜環境対応型高精度浚渫により汚染底泥にも対応〜

2003年10月27日

  • ◆「薄層浚渫支援システム」により、高精度の水平掘りを実現
  • ◆水抜き機構の採用により、余分な水の取り込みを極力抑えた浚渫が可能
  • ◆完全密閉機構の採用により、濁りの発生を抑制
  • ◆余分な土砂と水の取り込みを抑えることで、汚染底泥対策のトータルコストを低減

東亜建設工業はこのほど、福丸建設株式会社(社長:増田福一、本社:長崎県佐世保市)と共同で、近年問題となっている航路や泊地における重金属やダイオキシン類等で汚染された底泥の除去対策ニーズに対応した浚渫工法として、スーパーグラブバケット浚渫工法を開発しました。

本工法は、海洋土木工事でのノウハウを活かして弊社が開発した「薄層浚渫支援システム」(特許出願中)を使用することにより、薄層での水平掘り(水底を薄く均一に浚渫すること)を実現しました。

●背景

全国的な港湾、河川、湖沼などの公共水域の底泥ダイオキシン類にかかわる調査が実施された結果、いくつかの河川や港湾で環境基準値を超える底泥が発見されました。汚染された底泥対策の一つとして、広い範囲を薄く浚渫する方法があります。しかし、従来型の密閉グラブバケットによる浚渫では、必要以上の厚さを浚渫してしまうことと、余剰水が多く発生してしまうという課題があるとともに、その余剰水の漏れにより水切り時における濁りの拡散が発生するという課題がありました。スーパーグラブバケット浚渫工法は、これらの課題点を克服する環境対応型の高精度浚渫工法です。

  • スーパーグラブバケット浚渫工法による浚渫スーパーグラブバケット浚渫工法による浚渫
  • 従来型のグラブバケットによる浚渫従来型のグラブバケットによる浚渫

●スーパーグラブバケット浚渫工法

スーパーグラブバケット浚渫工法の特長は、以下の通りです。

  • 薄層での水平掘りを実現
    弊社が開発した「薄層浚渫支援システム」(特許出願中)を使用することにより、薄層での水平掘りを実現しました。
  • 含泥率を向上させた浚渫が可能
    浚渫する土砂の厚さに合わせてバケットの容量を調整することに加え、バケット内のスムーズな土砂と水の置き換えを実現するため、福丸建設(株)の持つ水抜き機構(特許出願中)を採用することにより、バケット内への余分な水の取り込みを極力抑えました。これにより、従来型の密閉グラブバケットよりも、含泥率を向上させた浚渫が可能となりました。
  • 濁りの発生・拡散を低減
    従来型の密閉グラブバケットよりも、密閉性を更に向上させた「特殊密閉グラブバケット」の採用により、水切り時に発生する水質汚濁を抑えることで、濁り拡散の低減につなげることが出来ます。

スーパーグラブバケット浚渫工法による施工フロー
スーパーグラブバケット浚渫工法による施工フロー
(クリックすると拡大します)

このように、スーパーグラブバケット浚渫工法は、汚染底泥浚渫に求められる薄層・高含泥率・濁り抑制に威力を発揮する環境対応型浚渫工法です。このような特長とともに、余分な土砂と水の取り込みを抑える特長も活かして、処分地の延命化、トータルコストの低減にもつがる有効な工法として、各方面に本工法を提案してまいります。

なお弊社では、雑石等の障害物が多い水域での環境対応型浚渫工法として、障害物に強い特殊密閉グラブバケットも開発中であり、現場の条件に応じた環境対応型浚渫工法の適用を目指しています。

●「ダイオキシン類汚染底泥相談窓口」の開設

東亜建設工業では、本工法をはじめとする様々な対策技術をベースに、それぞれの現場条件に応じた最適な解決策を提案していくため、「環境事業部」で培ったあらゆる汚染土壌対策のノウハウと「海の相談室」における20年余におよぶ豊富なノウハウを活かし、「ダイオキシン類汚染底泥相談窓口」を環境事業部内に設置しました。

「ダイオキシン類汚染底泥相談窓口」では、以下の点に重点をおいて、
各種の相談に答えてまいります。

  • ◆相談者の立場に立った回答
    相談者の立場に立った回答を各分野のエキスパートが行います。
  • ◆短期、中期、長期3種類の視点から対策を提案
    お客様の要望に応じ、短期、中期、長期3種類の視点から対策を提案します。
  • ◆費用対効果の高い対策を提案
    お客様の予算とのバランスを考え、費用対効果の高い対策を提案します。

ダイオキシン類汚染底泥対策についてお困りの方は、
お気軽に下記の「ダイオキシン類汚染底泥相談窓口」をご活用下さい。

  • ★「ダイオキシン類汚染底泥相談窓口」(東亜建設工業(株)環境事業部内)
  • TEL : 03-3262-5152
  • FAX : 03-3262-1837
  • 担 当 :小島 洋、田谷 全康、富田 尚道