2003年04月07日
東亜建設工業は、村松興業株式会社、株式会社関電工、波浮港漁業協同組合ほか4者の出資を得て、このたび「株式会社アクアミレニア」( 英文社名「Aqua Millennia Co., Ltd.」 )を設立し、東京都大島町を拠点に海洋深層水の製造販売事業に乗り出します。
東亜建設工業は、地方自治体活性化のために様々な「町興し事業」を企画・提案しています。今回の海洋深層水事業は、そのなかの一つとして提案したものが事業化に結びついたもので、当社は事業のエンジニアリング全般を担当します。
ここ数年来、さまざまな分野から海洋深層水の優れた特性が注目されています。そして既に、農漁業分野や飲料水、食品、化粧品、医療、健康、美容、エネルギーなどの分野で使用され始めています。
また現在、日本国内には、既に海洋深層水事業を進めている地域をはじめとして、数多くの海洋深層水の取水拠点地や候補地があります。海洋深層水を取水するこれらの地域では、その地域の特性を生かした独自の海洋深層水の利用用途拡大が求められています。
伊豆大島は、東京から
約108kmの距離にあります
東亜建設工業ほかが設立した「株式会社アクアミレ二ア」は、東京都大島町で海洋深層水事業を行ないます。
先ずは、2003年7月の簡易取水開始に向けて事業を進めていきます。計画では、東京都大島町の泉津漁港沖1.8km、水深500mから日量100tonの海洋深層水を取水し、取水した水をミネラル水、塩、原水などとして販売します。
海洋深層水取水施設の建設は東亜建設工業が担当し、取水管敷設には東亜建設工業の「TUJ取水工法」を適用します。
伊豆大島沖は、相模湾トラフ2,500m以深から深層水が湧きあがってくる国内でも代表的な湧昇海域として知られており、今回水深500mより取水する海洋深層水は、この海洋湧昇深層水です。
海洋湧昇深層水は、「深海からの湧昇水」、「真の海洋深層水」とも言われており、これは他の地域の海洋深層水と比べた場合の伊豆大島海洋深層水の大きな特長でもあります。
※湧昇:深海水が下層から上層に湧き上がる現象
株式会社アクアミレニア」は、2003年7月操業開始後、先ずは3年以内に事業を軌道に乗せることを目指します。また、海水の脱塩技術の研究・開発などを更に進め、将来的には海洋深層水分野でのコンサルタント業務も事業の柱として確立していく予定です。
東京都大島町は、「株式会社アクアミレニア」を海洋深層水プロジェクトのパイロット事業として位置付けており、大島町海洋深層水プロジェクトチーム(2002年5月発足、チームリーダーは総務課長)を中心に、特産品の高付加価値化、新たな特産品づくり、観光資源としての活用、漁業振興など、海洋深層水事業の新産業としての可能性を調査・検討していきます。
東亜建設工業は、「株式会社アクアミレニア」とともに大島町の町興しに引き続き協力していくとともに、今後もこの事業と同様の事業を需要が見込まれる地方自治体などへ「町興し事業」の一つとして提案していきます。
【補足】
アクアミレニアとは、ラテン語の水を意味するアクアと、千年紀を意味するミレニアムの複数形ミレニアを合わせた造語で、地球規模で発生する海洋深層水の大循環をモチーフに「幾千年の水」、「悠久の水」をイメージしています。