平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2024年度における我が国経済は、個人消費の一部に足踏みが残るものの、雇用・所得環境の改善や設備投資の持ち直しの動きがみられる等、緩やかに回復が続きました。一方、物価上昇の継続、米国の政策動向、金融資本市場の変動等により、景気の先行きは不透明な状況が続いております。建設市場においては、資機材価格の高騰や労務費上昇の影響は依然として注視する必要があるものの、公共投資については堅調に推移しており、第一次国土強靭化実施中期計画等における、今後見込まれる防災・減災対策や防衛力強化に伴う安全保障関係のインフラ整備等により、将来的にも堅調な市場の成長が期待できる状況にあります。
このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画(2023〜2025年度)に基づき、「部門間の連携強化により組織力の最大化を図る」、「新規事業を含め新たなビジネスモデルに果敢に挑戦」、「幸福度の高い社員による企業価値を持続的に向上させるサイクルの構築」の各事業戦略を推進しております。
2024年度の当社グループの連結業績につきましては、売上高は330,472百万円(2023年度比16.4%増)、営業利益は20,621百万円(2023年度比19.7%増)、経常利益は20,073百万円(2023年度比20.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,908百万円(2023年度比41.8%増)となりました。
当社グループは、長期ビジョン〈TOA2030〉の実現に向け、事業戦略と人材戦略の融合を基本方針とした「中期経営計画(2023〜2025年度)」に基づき、各事業部門において重点施策を掲げ、事業目標の達成を目指してまいります。本中期経営計画を着実に推進していくことで、事業拡大を推進する組織作りと人材成長の両立による企業価値を持続的に向上させるサイクルを構築し、さらに、部門間の連携強化により組織力の最大化、新規事業を含めた新たなビジネスモデルへの果敢な挑戦により、長期ビジョン「社会を支え、人と世界をつなぎ、未来を創る」の実現を達成し、社会的責任を果たしてまいります。また、これらの計画を着実に実行していくことにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
なお、今期2025年度は「中期経営計画(2023〜2025年度)」の最終年度であることから、期中において新たな中期経営計画を策定し公表する予定です。
2023年度において、当社の連結子会社である信幸建設株式会社の複数の従業員が、当該会社の外注先である取引業者と共謀して、架空・水増し工事代金等を支払った上で、その代金の一部を従業員らが自らに還流し着服していたことが判明いたしました。社内調査委員会の調査結果及び再発防止に向けた提言を真摯に受け止め、再発防止策を検討・策定し、2023年12月21日に公表いたしました。当社及び信幸建設は再発防止策を着実に実施しており、当社としてその他の連結子会社のガバナンスのモニタリングも強化しています。
今後、決して不正行為を繰り返さないよう内部統制システムやコンプライアンス体制を一層強化するとともに、当社グループの役員・社員が一丸となって、再発防止策の具体的な施策に取り組んでまいります。
今後とも格別のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2025年6月
代表取締役社長 早川 毅