2014年03月25日
東亜建設工業株式会社(東京都新宿区:社長 松尾正臣)は、株式会社ソーキ(大阪府大阪市西区:社長 都志益一)と共同で、カメラ画像に仮想の丁張を表示してモニター上で 構造物築造の施工管理を支援する「バーチャル丁張表示システム」を開発しました。
陸上工事における切土・盛土作業では、施工位置や高さを明示するため、「丁張」を設置し、これを目安に施工することが一般的です。また、海上工事におけるブロック積み作業などでは、旗竿を水中に設置することで平面位置の管理を行い、高さ管理は陸上からオートレベル(水準儀)を使用して行います。
しかしながら、海象によっては旗竿が流失することや、クレーンオペレーターの目線からは据付高さの確認が困難であることが課題でした。
そこで、当社はCCDカメラ付トータルステーションを使用し、カメラが取得する画像に対象構造物の座標を反映させ、「丁張」をモニター上に表示する「バーチャル丁張表示システム」を開発しました。
本システムは、CCDカメラ付トータルステーションに、@カメラ設置位置座標、Aカメラの方向角、B対象構造物の3次元座標などの情報を与えることで、モニター上に対象構造物の設計高さや形状を表示できます。
さらにCクレーンブーム先端に取付けたGPSから得られる位置座標 により、オペレーターは施工中のブームの位置、すなわち据付位置と、その位置における設計高さをリアルタイムに把握できます。これにより、ブロック積み作業などの作業効率の向上が可能となります。
「バーチャル丁張表示システム」概要図
モニター表示例
本システムの特長は以下の通りです。
平成26年1月に施工した西湘護岸復旧工事の消波ブロック据付工において試験導入を行い、モニター上に平面位置・設計高さの表示ができ、作業効率の向上に寄与できることを確認しました。
本システムは、視覚的に設計高さを確認することが可能なので、今後は消波ブロックの据付工事だけでなく、埋立工事や陸上工事での切土・盛土作業での運用など、幅広い工種で使用できるように技術開発を進めていきます。
以 上