2012年04月18日
RCSハイブリッド構法研究会(代表会社・淺沼組、他8社による共同研究※)は、既に性能証明を取得している「柱RC梁Sハイブリッド構法」の適用範囲に、小断面の柱鉄骨を内蔵した鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)柱と鉄骨梁で構成される柱SRC梁S接合部を追加し、財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(改定)を取得しました。柱をSRC造として鉄骨架構を先行して施工することにより、従来の柱RC梁S接合部構法の鉄骨造と比べた工期面での短所を補うことが可能です。
※青木あすなろ建設、淺沼組(代表会社)、奥村組、西武建設、大末建設、東亜建設工業、西松建設、ハザマ、長谷工コーポレーション
「柱RC梁Sハイブリッド構法」は、経済性に優れた混合構造構法として開発され、平成22年5月に財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得しました。しかし、従来の柱RC梁S接合部構法では、柱にコンクリートを打設するまで上階を支持できないことから、フロア毎に積み上げていく積層工法となり、柱梁架構を先行して施工できる鉄骨造よりも工期面では不利になる傾向がありました。
本構法は、梁貫通型の柱梁接合部を構築する構法であり、補強形式としては、柱梁接合部内にせん断補強筋を配筋する「せん断補強筋形式」、柱梁接合部の周囲をふさぎ板と称する鋼板で覆う「ふさぎ板形式」の2種類があります。
今回の改定により、柱に小断面鉄骨を内蔵した柱SRC梁S接合部が追加され、鉄骨架構の先行施工が可能となりました。鉄骨工事を先行して行うことで、鉄筋工事、型枠工事およびコンクリート打設を効率よく行い、工期の短縮を図ることができます。
主な特長は下記のとおりです。(今回の改定に関連するのは(5)および(6))
本構法は、商業施設や物流施設ばかりではなく、事務所ビルや複数階の工場等にも適用可能であり、様々な用途に対応できます。今回の性能証明(改定)の取得により、経済性だけでなく施工性でも合理的な混合構造構法となりました。今後も研究会参加、会社内において水平展開を行うとともに、各社の設計施工物件以外についても積極的に提案し普及展開を図っていきます。