大開孔を有するRC基礎梁の補強工法「エコ基礎梁工法」の性能証明を取得
―有孔基礎梁の梁せいを開孔直径の3倍から2.5倍に緩和―

2011年06月15日

基礎梁開孔補強研究会(安藤建設、西武建設、東亜建設工業、ハザマ)は、大開孔のあるRC基礎梁の合理化に有効な補強工法「エコ基礎梁工法」を開発し、このたび財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得しました。

基礎梁の中央付近には、人通用として円形の貫通孔(以下、開孔という)が設けられることが多く、その梁せいは構造上必要がなくても慣用的※1に開孔の直径の3倍以上とされていました。そこで、基礎梁の梁せいを可能な限り構造上必要な分だけで抑えられるように、本工法を開発しました。

本工法により、梁せいは開孔の直径の3倍以上から2.5倍以上に緩和できます(小梁にも適用可)。直径600mmの開孔の場合、梁せいは1,800mm以上から1,500mm以上へ最大で300mm短くなります(図1参照)。これにより型枠とコンクリート打設量に加えて基礎の掘削土量も低減し、躯体コストを従来工法に比べて3〜6%程度下げることができます。あわせて建設時のCO2排出量削減に寄与します。

本工法は、従来から行われている開孔補強方法を一部改良したもので、特殊な補強金物や鉄筋以外の材料を用いず従来工法と同様な材料を使用します(図2参照)。そのため、鉄筋に特別な加工を施す必要がなく、従来工法と同じ手順で施工できる点が最大の特長です。

今後、本会員4社は中低層建物の案件を中心に、積極的に設計・提案していきます。

※1 慣用的:日本建築学会の「鉄筋コンクリート構造設計規準・同解説」では、「梁に設ける円形孔等の直径は、梁せいの1/3以下とすることが望ましい。」としています。このため、第三者機関の技術評価を得た工法の多くがこれに従っています。

図1 従来工法との比較
「作業船ハイブリッドシステム概念図」
従来工法 エコ基礎梁工法
図2 エコ基礎梁工法

「作業船ハイブリッドシステム概念図」