薄層浚渫を効率的に行う
「ワイドグラブバケット浚渫工法」を開発

2009年07月07日

  • ◆建設業界最大級の開口面積37.25m2の幅広バケットを装備
  • ◆水平掘り機構と施工支援システムにより、高い浚渫精度を実現
  • ◆一般的な大型グラブ浚渫船23m3級に装着が可能

東亜建設工業株式会社(社長:鈴木行雄)は、特殊密閉型バケットとして汚染底泥除去用に開発した「スーパーグラブバケット(ワイヤー型・バックホウ型)」に加えて、仕上げ掘り時の薄層浚渫を効率的に行うワイヤー型の大型幅広バケット(25m3)を開発しました。
このほど、中国地方整備局発注の「福山港本航路地区航路(-16m)浚渫工事(その2)」で採用し、高い精度の薄層浚渫を実現しました。

ワイドグラブバケット浚渫工法(ワイヤー型)開発の背景

大型バケット(18m3〜28m3)を装備した一般的な大型グラブ浚渫船(23m3級)は、浚渫工事の最終段階で行われる仕上げ掘りを高い精度で行うために、浚渫地盤を平坦に掘削する水平掘り機構と、水平掘りをスムーズに行うための施工支援システムを装備しています。
しかしながら、土厚の少ない箇所で仕上げ掘りを行う場合、従来のバケット浚渫では、ひと掴み当たりの切り取り面積が小さい上に、水を多く取り込み、含泥率が低くなる傾向がありました。
そこで、当社は、航路浚渫や泊地浚渫等の仕上げ掘りにおいて、浚渫地盤ひと掴みあたりの切り取り面積を広くし、含泥率を高めることができる「ワイドクラブバケット浚渫工法」を開発しました。(特許出願中)

ワイドグラブバケット浚渫工法の特長

本工法の特長は、以下のとおりです。

〔施工能力〕

  • (1)幅広バケットの機能を活かし(最大開口面積37.25m2)、浚渫地盤の面積を広く切り取ることができます。
  • (2)一般的な大型バケットと同等の施工サイクルで作業できるため、仕上げ掘り時の薄層浚渫では、1サイクルあたりの浚渫土量が多く効率的な施工ができます。
  • (3)浚渫土厚に応じて、容量調整板を2段階に調整(土厚60cm、40cm)することができるため、余分な水の取り込みを最小限に抑えることができます。
  • (4)水抜き機構を有し、底泥取り込み時に水抜き開閉扉から自然な排水が可能なため、底泥と水の置き換えをスムーズに行うことができます。

〔汎用性〕

  • (1)ワイドグラブバケットは、一般的な23m3級グラブ浚渫船に装着が可能です。
  • (2)一般的な23m3級グラブ浚渫船に装備された水平掘り機構及び施工支援システムに対応が可能です。
    当社が開発した「薄層浚渫支援システム」を搭載することで、さらに精度の高い薄層浚渫ができます。

今後の展開

今回、当社が開発したワイドグラブバケット(ワイヤー型25m3)は、同じく当社が開発したスーパーグラブバケット(ワイヤー型6.0m3、バックホウ型1.3m3)が持つ高機能な機構の大部分を取り込んでいます。今後は、施工対象に応じて、2タイプのグラブバケットを効果的に使い分けて薄層浚渫工事の施工性向上に努めてまいります。


◆既に実用化されているスーパーグラブバケット浚渫工法

  • ワイヤー型ワイヤー型(6.0m3
  • バックホウ型バックホウ型(1.3m3

◆新開発されたワイドグラブバケット浚渫工法

ワイドグラブバケット
ワイドグラブバケット(25m3

◆ワイドグラブバケット機構図

ワイドグラブバケット機構図

◆ワイドグラブバケット(25m3)本体

ワイドグラブバケット本体