概要
プラグマジック工法は、軟泥の空気圧送中に固化材を添加し、管内で発生するプラグ流(乱流)を利用して、均一に撹拌・混合し、埋立地の地盤材料などに再利用する工法であり、管中混合固化処理工法の一つです。
固化材添加部に圧送管より断面積の大きい拡大管を採用することで、液相部への固化材添加を実現しました。添加後は拡大管より断面積の小さい圧送管にすることでプラグ流の再発生を促し、混練りします。固化材は、粉体にもスラリー状にも対応可能です。
■プラグマジック工法を用いた海上埋立工事の流れ
■最新鋭の配合管理システム
実施工では、原料土の流量、密度を連続的に計測を行い、処理土が一定の配合(水セメント重量比W/C)となる固化材量を自動演算、制御できる最新鋭の配合管理システムを開発・適用しています。
配合管理システムの一例
特長
- 1)空気圧送船や圧送管、固化材供給装置など、既存の資機材を利用できるため汎用性に優れ、大型化や長距離輸送が可能(最大圧送実績;1500m(中部国際空港))。
- 2)浚渫土などのリサイクルが可能。
- 3)軟泥を埋め立てた後に地盤改良する必要がなく、用地の早期利用が可能。
- 4)機械式混練りミキサーを用いる固化処理工法に比べて、大規模・急速施工や長距離圧送工事において経済的で、適用性が高い。
■大規模急速施工事への適用:中部国際空港と羽田D滑走路における人工島造成工事
2001年に始まった中部国際空港の空港島造成工事において、本工法が初めて本格的に適用され、当社が施工を担当しました。当工事は、総施工量約863万m³を約17ヶ月で施工するという、他に例のない大規模・急速施工でした。(日当り施工量約25,000m³)
その実績から、羽田D滑走路人工島造成工事(総打設量420万m³)でも採用され、当社も施工を担当しました。
打設状況(中部国際空港)
実績
- 徳島小松島港沖洲(外)地区航路・泊地(-8.5m)等浚渫工事 53,139m³
- 百聞川沖元浚渫工事 6,730m³
- 東京国際空港D滑走路建設外工事 4,740,000m³
- 新砂浚渫(H15)工事 22,400m³
- 中部国際空港空港島造成工事 8,630,000m³
- 名古屋港西3区泊地(-12m)浚渫及び築堤工事 30,000m³
- 釧路港西港区泊地浚渫工事 104,500m³
- 名古屋港東航路(-15m)浚渫及び余水吐築堤工事 48,000m³
- 名古屋港第三ポートアイランドB工区裏埋工事 32,000m³
その他
■関連論文
- 坂本暁紀,岩月哲三,山根信幸,雨貝信二,半沢秀郎,深沢健:管中混合処理工法の開発,第33回地盤工学会講演集,pp.2493-2494,1998.
- 太田正規・沼尻義春・御手洗義夫・佐藤恒夫:「中部国際空港空港島造成工事における管中混合処理土工法の適用」− 大規模急速施工への摘要とその品質について −,第37回地盤工学会講演集,pp.880-881,2002.
- 御手洗義夫,太田正規,居場博之,大和屋隆司,野口孝俊:管中混合処理工法によって造成された埋め立て地盤の強度のばらつきについて−中部国際空港人工島造成工事と羽田D滑走路建設工事の比較−,第54回地盤工学シンポジウム論文集,pp.503-510,2009.
など
■評価表彰
- 第15回WODCON(世界浚渫会議)技術論文発表部門新人賞(平成10年)
- 運輸大臣の民間技術評価を取得。評価証番号 第98106号(平成10年)
- (財)国土技術研究センター・(財)沿岸開発技術研究センターの第5回国土技術開発賞で「入賞」(平成15年)
■関連特許
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