概要
基礎梁の中央付近には、人通用として円形の貫通孔(以下、開孔という)が設けられることが多く、その梁せいは構造上必要がなくても慣用的※1に開孔直径の3倍以上とされていました。そこで、基礎梁の梁せいを可能な限り構造上必要な分だけで抑えられるように、本工法を開発しました。
※1:日本建築学会の「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」では、「梁に設ける円形孔等の直径は、梁せいの1/3以下とすることが望ましい。」としています。
本工法は、特殊な補強金物や鉄筋以外の材料を用いるのではなく、従来から行われている開孔補強方法を改良し、開孔両端の開孔際あばら筋、同あばら筋の外側に定着した4本を1組とする斜め補強筋、ならびに開孔上下の軸方向補強筋と開孔部あばら筋を用いて補強します。
補強筋の概要
■適用範囲
- 1)基礎梁および小梁。
- 2)開孔の形状は円形。
- 3)梁せいDに対する梁内法スパンlの比(l/D)が2以上。
- 4)開孔の直径Hは、1/3・D(0.33D)<H≦1/2.5・D(0.4D)かつ650mm以下。
- 5)開孔位置は、梁内法スパンをlとしたとき、柱面からl/4またはDの小さい方。
- 6)開孔上下のへりあきは、1/4・D(0.25 D)以上。
開孔の大きさおよび位置
特長
- 1)基礎梁せいを縮小できることにより、型枠・コンクリートの材料費の低減に加えて基礎の掘削土量の低減にも繋がり、従来工法と比較して躯体コスト全体で3〜6%程度のコストダウンができます。
- 2)掘削土量の低減により建設時のCO²排出量削減に寄与します。
実績
- 新潟県新潟市 某事務所
- 神奈川県横浜市 某学校施設
- 千葉県千葉市 某商業施設
その他
■評価表彰
- 建築技術性能証明:日本建築総合試験所 GBRC 性能証明 第10-26号改1
■関連特許
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